出版社内容情報
「愛原ちさと」こと千里の書く少女小説を熱烈に賛美しながらも、当人にはその事実を隠し、何かといじめてしまう彩子。真性レズビアンである彩子は、自分を感動させる作品を書いたのがアホで脳天気な男だという事実が許せないのだ。そこで彼女は、「愛原先生は、アホな千里の脳味噌に囚われている悲劇の天才作家」という設定を作りあげ、妄想を繰り広げるのだが……。（「第五話 二つの性別を持つ男」）
単行本初収録の幻の4作品、「ある夏の日の過ち」「風邪と共に去りぬ」「巨人の図星」「彼が彼女になる日」に注目!!
■収録作品■
「第五話 二つの性別を持つ男」
「第六話 ある夏の日の過ち」
「第七話 風邪と共に去りぬ」
「第八話 巨人の図星」
「第九話 彼が彼女になる日」
■著者紹介■
1991年に、少女小説でデビュー。学研レモン文庫の『お嬢さま』シリーズ『あぶない学園』シリーズをはじめとするヤングアダルトの著書が26冊ある。現在は、性愛をテーマに、現代物、ＳＦ、ホラー等を発表。「エロス」と「笑い」を重要な創作上のテーマとしている。代表作は、『西城秀樹のおかげです』（イースト・プレス）、『姫百合たちの放課後』（フィールドワイ）等。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
17
強気でわがままな女性漫画家（美人）と、謹厳で潔癖な漫画家（和風美青年）と、天然でド貧乏な小説家（洋風美青年）に振り回されるガタイは兄貴系でも心は乙女な小説家の4人が巻き起こすドタバタコメディ。個人的にはめそめそビショビショ泣いては、人の善意に頼って何とかなっている千里みたいな人は好きではないのだけど、めそめそしながら実は精神的にとてもタフ、というところが面白い。逆に俊彦は、耽美系同性愛者なのに空手や柔道で鍛えたガタイのせいで、自己肯定感が低すぎてこじらせるところが面白い。2025/01/04
ちょび
6
俊彦は相変わらず前途多難っぽいけど、脈はなさそうでありそうなので頑張って欲しい。変人達が多い物語だったけど、可笑しくて最後まで笑わせてもらいました。森奈津子さんの作品はいつも全力パワフルで凄いと思う。2013/03/11
よう
1
もう皆くっついちゃえよ。「腹に一物あり、股に一物あり」はきっとこの先も忘れられない名言。2010/10/17
kuroika
0
森奈津子節。登場人物達の逞しい想像力が面白かった。結構過激な割には途中からサザエさん的予定調和を感じて、志木の家は私の中ではサザエさんち食卓に思えて来た。どこまでも続編が読める気がして面白かった。2014/05/11
Yukino
0
千里は、栗原類君を思い浮かべました。トシの純愛がいじらしい。2013/05/04
