内容説明
実用性を意識し、本書に従って例題・演習問題を解いていくうちに、ラプラス変換とz変換が自然に理解できる。電気回路や制御工学に現れる線形システムを解析する手法としてのラプラス変換についても解説。互いに関連しているラプラス解析、z変換、フーリエ変換・離散フーリエ変換の体系的理解に向けた道しるべとなる書。
目次
第1部 ラプラス変換とは何か(ラプラス変換の基礎;ラプラス変換の数学的な補足)
第2部 ラプラス変換による微分方程式の解法(定係数線形常微分方程式の解法;連立微分方程式、微積分方程式、偏微分方程式の解法)
第3部 線形システムとラプラス変換(線形システムの取り扱い;ラプラス変換と電気回路;ラプラス変換と制御工学)
第4部 z変換と離散時間システム(z変換の基礎;離散時間線形システム)
著者等紹介
原島博[ハラシマヒロシ]
1973年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。現在、東京大学情報学環・学際情報学府教授。工学博士
堀洋一[ホリヨウイチ]
1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。現在、東京大学生産技術研究所教授。工学博士
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感想・レビュー
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まっちゃん2
2
ラプラス変換とZ変換の基本的事項に加えて、回路と制御とデジタルフィルタにまで言及されている。長年もやっとよくわからなかったことがすっきりした。ただし応用面を詳しくしるには個別の書籍を読むことになる。2023/10/26
にしもん
1
基礎的な事柄がわかりやすく書いてある。 数学的な厳密さはないが、実際の計算を行う分には不要であろう。タイトル通り、工学系向け。自分は工学系ではないがおそらく学部1,2年生で習う内容だと思う。z変換というのはいままで触れたことがなかったが、差分方程式を解く際に使える便利ツールだと思った。このz変換という新しい計算法を学べたのは良かった。2021/03/29
トルネードG&T
1
ラプラス変換とz変換の解説書。前書きに書かれている書の成り立ちの通り、こちらは電気工学寄りの解説書で「信号の解析」を具体例とした話が多く登場する。複素数もiではなくj。個人的な学習履歴と適合していたため物理学・数学を前提とするものよりも読みやすかった。ちなみに入手した版ではz変換の一部の項にzが2になっている誤植があり元が手書き原稿なのだなと感じるなどした。2019/01/17