内容説明
「転写」という他人の脳内情報を写し取る力を持つ雨宮ジンのもとに、ひとりの女性が訪れた。戸田フミ―彼女もまた特殊な能力を有する若者だった。2人の能力は、高額な報酬で闇の組織に利用されていたのだが、他者の脳内に踏み込むというタブーは、数奇な力を持つ者に過酷な運命を科していたのだった。20XX年、日本。格差社会化、貧困化、そして、軍国化。荒廃した社会で、みずからの宿命と闘う若者の姿を描く、書き下ろし長編ミステリー。
著者等紹介
三浦明博[ミウラアキヒロ]
1959年、宮城県生まれ。明治大学商学部卒業。仙台市の広告制作会社でコピーライターとして勤務した後、1989年に独立。2002年、『滅びのモノクローム』(講談社文庫)により第48回江戸川乱歩賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たこやき
4
「転写」という特殊能力を使って大学教授を探っていた主人公だったが、教授が急死してしまい、しかも、周囲でも多くの死者が……という序盤はぐんぐん引き込まれた。が、中盤から設定の後出しやらでグダグダし始め、後半は強引。ジンからフミに主人公が代わり、「会社」を調べはじめたのに、優秀な元同僚が全て教えてくれた、とか、あり得ないだろう、と。思想統制などのテーマはともかく、作品としての完成度はかなり低い。2011/03/10
shiki
0
ミステリーとしての完成度というよりも、心理描写を楽しめた作品。中盤の面白さはなかなかだった。それなりに読みやすかったが、テーマを前面に押し出しすぎていたような気がする。序盤の設定をきちんと後半で生かしきれていれば更に良かった
外道皇帝
0
前半はいいんだけど後半は無理やり感があります2008/09/19