感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
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第三省察、とりわけ観念とは何か、対象的事象性(realitas objectiva)とは何かと問うもの。観念とは、(スコトゥス的な意味で)対象的であり、つまり「事物(res)の観念(第三省察)」と省察は言う。しかし答弁において観念は「思惟の形相(第二答弁)」であり「思惟されるすべて(第五答弁)」と表現される。この二つの観念規定に差異はあるのか。村上は、答弁の観念が省察の観念を「包摂する」と述べ、結果として対象的にある観念と形相的にある観念の差異を強調する立場にいたる、とまとめてみた。2012/02/22




