内容説明
ひとつかふたつの詩を大事に携えて生きていく。ぼちぼち、ばらばらと。詩は求めるしかない。
目次
第1章 詩人たち(無垢の出現―大岡信;固形ブイヨンとしての谷川俊太郎;詩人と「女」―谷川俊太郎 ほか)
第2章 ふたたび、詩人たち(瑞々しい兄ちゃんの声―『パゾリーニ詩集』;ヴェネツィアの亡霊たち―トランストロンメル;都市の内臓が語る言語―『エルサレムの詩 イェフダ・アミハイ詩集』 ほか)
第3章 これもまた、詩(かたまりの塩―池澤夏樹;人間ノ生活ノ残酷サ―武田百合子;お米と冷奴―樋口一葉 ほか)
著者等紹介
小池昌代[コイケマサヨ]
詩人、小説家。1959年、東京生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。主な詩集に『水の町から歩きだして』、『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルタカ』(萩原朔太郎賞)、主な小説に『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『自虐蒲団』『厩橋』『たまもの』(泉鏡花文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
9
大岡信、谷川俊太郎、あるいはトランストロンメル、タブッキといった内外の詩人に関するエッセイが収録されている。私もこよなく愛する詩人について書かれた文章を目にすれば、そこには懐かしい詩の一片と、それに対する新たな視座が与えられ、小池というフィルターを通すことによって得られる喜びは大きい。なかでも茨木のり子についてのエッセイは分量も多く、彼女の生涯を幾つかの詩でもって俯瞰するかのようで素晴らしい。小池が立つのは安定した地面の上だ。雲のように漂ったり、いたづらに言葉を弄んだりもしない。凛とした気配が心地よい。2015/05/20