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内容説明
植民地・朝鮮から引き揚げ、九州炭坑町で、自分とは何か、女として生きるとは何か、国家権力とは何かを問いつづけ闘った日々。さらに、異国で身を売って働く女性たち「からゆきさん」を訪ね、列島各地に残る「海人」「産小屋」などの民俗を明らかにする。20世紀後半から現在までで最も重要な詩人・思想家の全体像を、未公刊の詩30篇を含め一覧する。
目次
書き下ろし巻頭エッセイ―石炭について学んだことなど
未公刊詩篇+エッセイ(天災・人災の彼方へ;壮大な炭鉱労働記憶画―山本作兵衛さんありがとう;追悼・谷川健一)
1970‐2013エッセイ選(自分さかじ;伝承と聞き書きの旅;「産」の思想;いのちの自然)
森崎和江を読むための全著作ブックガイド
著者等紹介
森崎和江[モリサキカズエ]
1927年、朝鮮大邱生まれ。44年、福岡県立女子専門学校(現・福岡女子大学)入学。47年卒業後、結核で佐賀療養所に入所。49年、丸山豊主宰の『母音』の同人となり詩を発表。58年、上野英信、谷川雁らとともに文化運動誌『サークル村』を創刊。59年、女性交流誌『無名通信』を創刊。60年、谷川雁が組織した大正行動隊に参加。63年、対馬へ取材、68年、招かれて韓国・慶州へ。その後、70~80年代は、沖縄や列島各地を取材する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shoko
18
『名随筆産』の中で、妊娠した時に一人称を「わたし」と言えなくなった、妊娠した母体に別個の命を宿している状態の人称が存在しないということに孤独を感じた、と書いていて衝撃を受けた森崎和江さん。本書はエッセイ選にて「自分探し」「伝承と聞き書きの旅」「「産」の思想」「いのちの自然」のアンソロジーが読める。森崎さんの追ってきたテーマをつまみ食いできる構成だ。森崎さんの文章は散文的で詩的で分かりにくいところも多いものの(※私の教養不足)ところどころ急に心を鷲掴みにされ、涙腺が緩くなることもある。もう少し紐解きたい。2023/05/08