内容説明
関東大震災後の混乱の中から登場した小林秀雄の最初期の文芸批評「様々なる意匠」「アシルと亀の子」などを精緻に読み解く。ロマン主義的な“印象批評”としての小林秀雄の本質を鋭く解析する本書は、現在的な、スリリングな批評となった。
目次
ロマン主義批評の確立―「様々なる意匠」
エドガー・アラン・ポーの光線―「志賀直哉」
小林秀雄の光臨―「アシルと亀の子1」
超越的な“母”としての印象批評―「アシルと亀の子2」
印象批評のピンとキリ―「アシルと亀の子3」
マルクス主義的言語観?―「アシルと亀の子4」
批評対象の欠乏―「アシルと亀の子5」
起伏に富んだ文学散歩―「文学は絵空ごとか」
「機械」と『上海』―「横光利一」
関東大震災と「尖端女性」―政治的方向音痴と「物質への情熱」
レーニンの悟達―「マルクスの悟達」
芸術作品を受容する能力―「文芸時評」
「吾が仏、尊し」―「心理小説」
エクスタシーの哲学―「文芸時評の科学性に関する論争」
著者等紹介
佐藤公一[サトウコウイチ]
昭和29年秋田県生。昭和52年早稲田大学教育学部卒業。昭和57年北海道大学大学院修士課程修了。平成7年秋田大学教育学部非常勤講師。現在、文芸批評家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。