内容説明
一九二〇年代、パリの区々で、芸術・革命・数学、愛の拒絶と不幸をめぐって遍歴する、クノー初期の自伝的小説。アンドレ・ブルトン率いるシュルレアリスム運動への参加と訣別をえがいた実録的な小説としてもしられる。
著者等紹介
クノー,レーモン[クノー,レーモン][Queneau,Raymond]
1903年北フランスの港町ル・アーヴルに、小間物屋の一人息子として生まれる。1920年パリ大学に入学、哲学を専攻した。24年シュルレアリスム運動に参加。25年から27年まで兵役でモロッコにおけるリフ戦争に従軍、その間兵隊仲間による卑語・俗語の洗礼を受け、のちの話し言葉による彼の文学の下地が形成された。29年ブルトンと訣別、シュルレアリスム運動から離脱した。33年処女作『はまむぎ』を発表して作家の道を歩み始め、『オディール』(1937)『泥土の子どもたち』(1938)などの小説と長編詩『樫の木と犬』(1937)を含む自伝的作品の時期を経て、『きびしい冬』(1939)(大久保輝臣訳『世界文学全集23』集英社、1965所収)で乾いたペシミズムの作風を確立した。1960年数学者のフランソワ・ル・リオネとともにグループ「ウリポ」(潜在的文学工房の略称)を設立。晩年は社会的な発言に加わることなく、若い頃親しんだルネ・ゲノンの東洋思想に戻っていった。1972年妻のジャニーヌを亡くし、76年パリで死去
宮川明子[ミヤガワアキコ]
1940年生まれ。東京大学卒業。明治学院大学フランス文学科教授
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感想・レビュー
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兎乃
水色。
ヘル・Wの空中庭園
のうみそしる
きゅー