内容説明
どうしても伝えたいものがここにある。子どもたちが平和な詩や歌だけに包まれる、そんな地球になるためにも…。
目次
君死にたまふことなかれ(与謝野晶子)
戦争はよくない(武者小路実篤)
戦争(北川冬彦)
骨のうたう(竹内浩三)
ある兵の独白(山本和夫)
たそがれの歌(内田博)
生ましめんかな―原子爆弾秘話(栗原貞子)
戦争(金子光晴)
母よ誰が(黒田三郎)
象のはなし(秋山清)〔ほか〕
著者等紹介
水内喜久雄[ミズウチキクオ]
1951年、福岡県生まれ。多くのアンソロジーや個人詩集の編著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆにす
5
無名・・というのか、ごく普通の子どもの戦争の詩が残っていること、そして行方がわからないこと・・・に戦争というものの惨さ、悲しさが伝わってきます。やっぱり平和ぼけしているな、私たち・・・。井上陽水さん、桑田圭祐さんの歌詞なども掲載されて、よく網羅されています。2011/08/27
ぱせり
3
戦争とはなんなのか、と多くの人たちがうたっていました。その答えはいろいろだけれど、共通するのは、強制されて「失う」ということだ、と思います。失うことや奪うことやを強制する大きな力からは、きっと詩は生まれない。この本のタイトルの「子どもたち」を、小さい無力な存在、という意味にとりました。無力なものにしか歌えない詩、聞こえない詩があるのだと思いました。2010/10/25
白としろ
1
武者小路実篤「戦争はよくない」俺は殺されることが嫌ひだから人殺しに反対する、従つて戦争に反対する、。。。他人は殺されてもいいと云ふ人間は自分も殺されてもいいと云ふ人間だ。 谷川俊太郎「死んだ男の残したものは」死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども 他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった。。。死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙 他には何も残さなかった 思い出ひとつ残さなかった。。。死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球 他には何も残さなかった 2023/10/07
花
1
教科書に載っている有名な詩から、無名の詩人の作品まで。「戦争文学」というジャンルは敬遠してきましたが、平和をまっすぐ希求する言葉の強さが、胸に迫ります。2010/10/28