寺子屋新書
住まいと家具の文化

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  • サイズ 新書判/ページ数 172p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784901330497
  • NDC分類 383.9
  • Cコード C0277

出版社内容情報

気候・風土によって衣食住の文化は育まれる。日本人はどのような暮らしをしてきたのか? 異国の文化をどう受け入れ、日本の伝統をつくりだしてきたのか?──インテリア・デザインの一線で活躍し、家具の研究を続けていた著者たちが、「食べる」「憩う」「もてなす」「ねむる」「よそおう」「身を清める」「読み書き」の六つの生活行動を、歴史を踏まえつつ分析し、居心地のよい暮らし方・生き方の表現としての住まい方、そして、スケルトン・インフィルやグループホームなど、これからの時代に求められる新しいヒトと住まいとの関係を提案する。

第1章 住まいの伝統……気候・風土と暮らし/住空間の性格/床座と椅子座/「受想行識」の世界 / 明治以降の住まいの改革
第2章 生活行動と住まい……食べる/憩う/もてなす/ねむる/5 よそおう/身を清める/読み書き
第3章 暮らしよい住まいを求めて……現代の住宅環境 /部屋と家具の関係/室内の整理/これからの住まいの課題

 人は地球上のどこかに国をもち、そこに暮らす以上、自然条件と深くかかわってくることは避けがたい。(中略)
 東京は、ヨーロッパの中心部であるウィーン、ベルリンなどより緯度が十五度も南であり、北アフリカの都アルジェと並ぶ位置にある。西欧の各都市と比べ、夏は暑く湿度が高い。逆に冬は湿度が低く、夏と冬とでは二五パーセントも差がある。また、年間降雨量が飛び抜けて多く、とくに夏期の雨量はウィーン、ベルリンの倍以上にもなっていることがわかる。
 このような気候・風土は、西欧人の暮らしと日本人の暮らしに、さまざまな違いを生み出してきた。
 衣服についてみると、西欧は詰め襟型の防寒服を基本としているのに対し、日本は垂れ首型(和服の襟など)の防暑服を基本としてきた。(中略)
 食事の面で見るなら、日本は米食、西欧はパン食が原型で、これも気候・風土によるものであった。
 西欧の気候は、緯度のわりに冬が温暖で湿度もあるから、小麦の生育に適しているが、一般に地力が低いために養分収奪の激しい小麦の連作は困難であり、一年間牧草を生やしてから家畜を放牧し、その糞を肥料として麦作にもどる三耕法が基本になり、パン、牛乳、肉を食べることになった。(中略)
 衣食でふれた問題は、住の面でも共通している。住居は土地に定着し、人間生活の器として、衣服とは比較にならないほど深く暮らしにかかわってくるので、重要かつ複雑である。(中略)
 現代は、多様化の時代である。住宅の一定の近代化が終わったいま、そこに暮らす人々の生活や気候風土から出発した多様な住宅が、もっと生まれてもよいのではないだろうか。

食べ、憩い、眠り、コミュニケーションする場としての住まいを探る。日本の文化、そして西欧の文化を歴史的に踏まえ、これからの住まいのあり方を提案する。

内容説明

気候・風土によって衣食住の文化は育まれる。日本人はどのような暮らしをしてきたのか?異国の文化をどう受け入れ、日本の伝統をつくりだしてきたのか?―インテリア・デザインの一線で活躍し、家具の研究を続けてきた著者たちが、「食べる」「憩う」「もてなす」「ねむる」「よそおう」「身を清める」「読み書き」の六つの生活行動を、歴史を踏まえつつ分析し、居心地のよい暮らし方・生き方の表現として住まい方、そして、スケルトン・インフィルやグループホームなど、これからの時代に求められる新しい人と住まいとの関係を提案する。

目次

第1章 住まいの伝統(気候・風土と暮らし;住空間の性格;床座と椅子座;「受想行識」の世界;明治以降の住まいの改革)
第2章 生活行動と住まい(食べる;憩う;もてなす ほか)
第3章 暮らしよい住まいを求めて(現代の住宅環境;部屋と家具の関係;室内の整理;これからの住まいの課題)

著者等紹介

中村圭介[ナカムラケイスケ]
1923年東京生まれ。東京府立工芸学校木材工芸科卒業後、(株)三越本店家具部設計室に入社。1956年、中村デザイン事務所開設。量産家具の設計、重文建築物の家具復元設計などを手がける。1969年、「日本のインテリア100年」の研究でJID賞を受賞。1994年、勲五等双光旭日章を受ける。おもな作品にダーツチェア(製作/インテリアセンター)などがある

日方一城[ヒカタカズシロ]
1948年東京生まれ。インテリアデザイナー。1969年、桑沢デザイン研究所卒業。1975年、日方一城デザイン室を設立。インテリアデザイン、家具デザインを手がけるほか、専門学校東洋美術学校の講師を務める。(社)日本インテリアデザイナー協会、日本インテリア学会、(社)日本建築美術工芸協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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インテリ金ちゃん

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椅子座、床座 日本はすべてMixしてうまく使いこなしているんだな。2014/06/14

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