出版社内容情報
性と生=からだ・こころ・いのちを「総合的な学習」として組み立てる、いままでにない「真ん中にテーマ箱」を置く画期的な学習法を、低学年・中学年・高学年の実践記録付で詳しく紹介。
現場で取り組むときにぶつかる「ハードル」の乗り越え方も含め、「これなら私にもできる!」という気持ちにさせてくれます。
座談会、対談、論文、提言などで、性教育を総合学習として実践することの必要性、意義、価値などもわかりやすく提起しています。
はじめに
Ⅰ 理論編
【座談会】「総合的な学習」と「性と生の学習」の課題
●子どもも親も性教育を求めている/性教育は子どもとの関係を豊かにする/性教育は子どもの「生きる力」を育てる
【対談】「総合学習」でも人権は最も重視すべきテーマである=佐藤学・山本直英
●ジェンダーセンシティブの教育が必要/学校の中で消されているものに取り組もう/市民教育を前提としたカリキュラムづくりを/子どもたちの現実と教育がどんどん乖離していく
【提案】こうすればできる・本物になる「性と生」の総合学習
●4つのハードルの乗り越え方/「真ん中にテーマ箱」の学習計画表/3段階学習計画表
ハードル1=知識を与えるのはだめ!?/ハードル2=性の学習では体験学習はどうするの?/ハードル3=「自ら課題を見つける」のだから、「自ら見つけるまで待て」/ハードル4=性のことを「調べ学習」にして、何か聞かれたら困っちゃう【
【提言】「性と生」の学習こそ総合学習にふさわしい
●総合学習と性教育/ふれあいの性/マイノリティの性/総合学習としての切り口
【論文】いまなぜ「総合学習」としての〈性〉なのか
●20世紀は「富国強兵路線」が「個の性愛」を抑圧した時代/上昇志向の制度疲労と結婚の機能低下/皆婚主義と女性への抑圧/近代国家によって歪められた性/性は本来、命がけの命題/「性の総合学習」は時代の要請
Ⅱ 実践編
【低学年】よく見て、発見しよう! 自分のからだ
●自分のからだをうつしてみよう/自分のからだってこうなっている/からだにはあちことに名前がある/プライベートゾーンは「自分だけの場所」/男、女、違う?似ている?同じ? 外性器の学習
【中学年】からだは動いている、成長している、生きている
●あれ? 人体の学習がない!/中学年の力を伸ばす「調べ学習」をしよう/いのちとからだの大研究スタート/手の本づくり/成長するわたしたち/自分のからだ自由研究
【高学年(試案)】これまでの自分、いまの自分、これからの自分に出会う
●人はなぜ性交するのだろう?
【高学年】トイレ探検で「さまざまな性」を学ぶ
●町のトイレを探検してこよう/1枚の写真の投げかけたもの/性同一性障害、インターセックスって何?
【保健室】エイズを学ぶ実践から、総合学習の課題に迫る
子どもたちを「心とからだの主人公に」を合言葉に、科学・人権・自立・共生の性教育に取り組んできた、私たち“人間と性”教育研究協議会では、「総合的な学習の時間」の導入が決まって以来、小学校・中学校・高校それぞれに、「総合的な学習と性教育」のプロジェクトチームを設置し、討議を積み重ねてきました。本書は、小学校のプロジェクトチームの取り組みをまとめたものです。
巷には「総合的な学習」の指南書があふれているものの、納得のいくものがあまりにも少ない。研究指定校の実践にも目を通しましたが、「学習メニュー」「学習マップ」はまだしも、「プランドゥ学習」「マトリックス」「タイム・オン・タスク」「フレキシブル・スケジュール」「モジェラー・スケジュール」「タイムバンク方式」「ローリング方式」「ジグソー方式」となると、ちんぷんかんぷん。
本書の庄子晶子さんの「テーマ箱」を真ん中に置く実践は、「総合学習」としての具体的なテーマと、その学習の発展方向が一目でわかる構造になっています。「なるほど。これなら自分でも取り組めそうだ」と、うなずいていただけるのではないでしょうか。星野恵さん、中野久恵さんの実践も、等身大とも言うべき示唆を汲み取っていただけるでしょう。
子どもから大人への変身のときを生きる小学生にとって、性(からだ)は、興味津々のテーマです。そして彼らは、それを学ぶ権利をもっている、「性の学習権」の主体者です。
また、“人間の性”は、科学、文学、哲学、芸術、歴史学、社会学など多岐の領域にわたっています。「総合学習」として組み立てていくのに、まさにうってつけのデーマです。
あなたもどうぞ、子どもたちと一緒に、このすばらしいテーマへの挑戦者に加わってくださることを願ってやみません。
性教育は苦手という先生にぜひおすすめします。授業の実際がとてもよくわかる。
内容説明
画期的な「真ん中にテーマ箱」の学習計画表を提案!すべての「総合的な学習」に応用できる。
目次
1 理論編(座談会 「総合的な学習」と「性と生の学習」の課題;対談 「総合学習」でも性と人権は最も重要視するべきテーマである!;提案 こうすればできる、本物になる「性と生」の総合学習―4つのハードルの乗り越え方・「真ん中にテーマ箱」の学習計画表・3段階学習計画法;提言 「性と生」の学習こそ総合学習にふさわしい―子どもたちの常識を揺さぶる・「マイノリティーの性」を学ぶ・総合学習に発展させる3つの切り口;論文 いまなぜ「総合学習」としての「性」なのか)
2 実践編(低学年 よく見て、発見しよう!自分のからだ;中学年 からだは動いている、成長している、生きている;高学年(試案) これまでの自分、いまの自分、これからの自分に出会う
高学年 トイレ探検で「さまざまな性」を学ぶ
養護教諭のかかわりから エイズを学ぶ実践から、総合学習の課題に迫る)
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