内容説明
大好きなおばあちゃんがつれていかれないように、4人の子どもたちはいっしょうけんめいです。「どうしておばあちゃんをつれていっちゃうの?」いちばん小さな子のうったえかけに、どんな答えがかえってきたでしょうか?子どものやさしい気持ちにより添って、生と死を考える絵本。
著者等紹介
リングトゥヴィズ,グレン[リングトゥヴィズ,グレン][Ringtved,Glenn]
1968年生まれ。2児の父親。1995年デビュー以来、子どもから青少年のための、ユーモアとドラマ性に富んだ作品を数多く創作。2004年、デンマーク最大手出版社であるギュレンデール社「児童文学賞」を受賞
パーディ,シャロッテ[パーディ,シャロッテ][Pardi,Charlotte]
1971年生まれ。アンデルセンの童話をはじめ、現代絵本の挿絵を数多く手がける。2000年、デンマーク文化省の「挿絵画家賞」を受賞
田辺欧[タナベウタ]
大阪外国語大学助教授。専門は、近・現代デンマーク文学。とくに「アンデルセンと音楽」「アンデルセンとロマン主義」「アンデルセンに影響を受けた作家たち」といったテーマのアンデルセン研究に力を注ぐ。また、北欧モダニズムの研究や、北欧の女性作家・詩人の研究にも取り組んでいる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんちゃん
29
かなり前に読友さんからご紹介いただいた作品。副題のMortal、とは「死ぬ運命にある」「死を免れない」という意味。今まさに天に召されようとしているおばあちゃんをめぐる、4人の孫たちと死神とのかけひき。何とかしておばあちゃんと引き止めたい孫たちですが、死神の話を聞きながら、死を受け止める覚悟をしていきます。「死ぬことがなかったら、生きているということは大事なことではなくなる」という死神の言葉が深いです。2013/03/24
みさどん
22
悲しそうで迫力のないこの表紙の死神が残念。死は圧倒的に強いものであってほしいから。怖い顔でも恐ろしげでも、優しい死神と同じように真意は伝わるはず。亡くなりそうなおばあちゃんを前に悲しむ子どもたちに、死神が死の大切さを語りかける。不死の無常となる世界観を考えれば、死神が語る逸話もうなずける。終わりがあるから命を大切にできるのだ。でも、思い切り泣くべし。2018/04/05
あおい
16
死期が近いおばあちゃんを迎えに来た死神。なんとか引き止めようとする4兄弟に死神は生きる事死ぬ事の意味を穏やかに語り始める。話を聞き終えた後のお兄ちゃんの行動が素敵でした。2016/11/09
たまきら
16
おばあちゃんを連れて行かないで!という子供たち。そんな彼らと死神との対話。最初たとえ話が全く理解できず、娘に読みながらも伝わらないなあ…と思っていました。あとで一人で読み返し、人生の流れと四季の流れみたいなものかな?と。う~む。自分的にはもう少し違う死の受け入れ方を探したいかな。2015/12/14
ゆにす
11
死について考える本をみつけると読むようにしています。毎度のことですが「死生観」というのは人によって違って難しいと思わされます。シュンとベソ、サチとエミの挿話は興味深かったです。悲しみと苦しみ、幸せと喜びが同居してこその人生ということなのでしょうか。2012/12/26