内容説明
地球が回りつづけねばならぬのなら未来は貴方がたが決めるのよ。生きるためなら他人となるも厭わぬ、そんな人生の許された時代に大西洋を往還する者たちの運命。スーザン・ソンタグ絶賛のデビュー作『都会のヴードゥ』から16年、ブエノス・アイレスの映画作家が還暦からの新生を遂げた奇跡の短編集。
著者等紹介
コサリンスキイ,エドガルド[コサリンスキイ,エドガルド] [Cozarinsky,Edgardo]
1939年ブエノス・アイレス生まれ。作家・映画監督・脚本家。1976年よりパリを拠点として映画製作に従事。Vud´u urbano(『都会のヴードゥ』1985)で注目を浴び、『オデッサの花嫁』以降執筆に軸足を移す。小説、随想、詩、聴き書記録、脚本など縦横無尽かつ旺盛な創作を続ける。小説にLejos de d´onde(『何処から遠く』2009 アルゼンチン文学アカデミー賞)ほか。短編集にEn el ´ultimo trago nos vamos(『これが最後の一杯』2017 ガブリエル・ガルシア=マルケス記念イスパノアメリカ短編文学賞)。その他多数
飯島みどり[イイジマミドリ]
1960年東京生まれ。ラテンアメリカ近現代史。立教大学教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヘラジカ
52
映像作家としても活躍するアルゼンチンの小説家、エドガルド・コサリンスキイの短篇集。物語でスポットライトを当てられる人々は、文章では決して全てを書き表されているわけではないが、それぞれが恐ろしく重厚な人生を背負っている。最後の一作を除き大半が二十数ページの作品なのに、その重量感に圧し潰されそうな読書だった。装飾の多い文体は格調の高さを感じさせるものの、時に間怠っこしくも感じられ、非常に馴染みにくい。かなり丁寧な解説が付されているとは言え、作品のバックグラウンドにも不案内なので、正直に言うとかなり苦戦した。2022/01/01
中海
2
ブエノスアイレスに生まれたがパリを拠点に映画関係の仕事をしていた。還暦位で病に倒れ、手持ちぶたさなんで色々書いてみた。うん、いいと思う。しかし無理に出版しなくても。。。国際的に知名度あって著名人だからといって、無理やり翻訳しなくても。。。。と思ったが、あとがき解説を読んでみて、すっごい読みづらいわかりづらい。この本は訳した人間がダメなパターンだった。二回ずつ読んだけど、ほんと何にも頭に残らなかった。2022/07/04
アシモ
0
途中で挫折。表題作はよかった。2022/08/04