内容説明
その音‐映像を0.1秒オーダーで注視せよ。高解像度の分析によって浮かび上がる未聞のJLG的映画原理。映画史=20世紀史を一身に引き受けようとするゴダールは、映画に何を賭しているのか?そして21世紀のゴダールはどこへ向かうのか?映画論の「方法」を更新する新鋭の初単著。ゴダールとともに、知覚経験の臨界へ。
目次
序章 新たなる視聴
第1章 結合
第2章 問いと非応答
第3章 見逃し、聴き逃し
第4章 類似
第5章 受苦と目撃
著者等紹介
平倉圭[ヒラクラケイ]
1977年生。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。専門は芸術論、知覚論。美術家としても活動をおこなう。現在、横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bartleby
6
ゴダールによる音と映像、映像と映像との結合方法を0.1秒単位で徹底的に分析し尽す。さらにその先で彼の映画における「見逃し・聞き逃し」の問題へと迫っている。われわれが何かを見聞きし、認識することそれ自体の持つ謎や際どさの自覚にまで至らせるような優れた研究。2016/12/26
nzmnzm
5
「ほとんど狂っている」ゴダールのものの見方・見せ方について、それに緻密に寄り添いながら、同様に狂ってしまわないように・ゴダールがどのようにしてその狂気を狂気に陥らずに使っているか・問題化しているのかを、冷徹に適確に圧縮しながら、問題化していく。謎解きのような1冊。著者は美術を論じてきてもいて、本書を読んだ後には映画だけでなく美術の見え方も劇的に変わった。そして世界の捉え方も。2011/01/24
rskosk
3
ゴダールの映画についてこれほどまでに細かく明晰に分析された本はこの本の他にないだろうと思う。2012/11/13
🍕
2
ドゥルーズ ・シネマの切断的ゴダール論に真っ向から対立して、不確定的な類似と視覚の絶対的内在に基づくゴダール的哲学を発掘しようとしていた。2020/10/11
s_i
2
気になるところだけざっと。小説みたい。読み直そう。2013/03/23
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