内容説明
市民的欲望の肯定と革命への志向―。無敵の戦後左翼が、脱政治化の流れのなかで思想的強度を失うさまを資質的“病”と絡めて跡づけ、その悲劇の本質を初めて照らしだした渾身の書き下ろし。
目次
序章 廃人の歌
1章 太宰という罠
2章 花田のコミュニズム/安吾のアナキズム
3章 死者を抱く者
4章 アジアから母型へ
5章 癒されざる“病”
終章 欲望の肯定と脱政治化
著者等紹介
高澤秀次[タカザワシュウジ]
1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒、文芸評論家。中上健次に関する年譜、評伝、編著のほか日本近代思想史、戦後知識人論、また沖縄、対馬をフィールドワークした民俗ルポルタージュなどの著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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