“関係”の詩学

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“関係”の詩学

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784900997035
  • NDC分類 954
  • Cコード C0097

内容説明

マルティニク。地球を流浪する魂たちの場。セゼール、ファノンから、コンフィアン、シャモワゾーまで。その中にあって誰よりも壮麗な響きを奏で続けるクレオールの星座の結節点、それがエドゥアール・グリッサンだ。もっとも小さな情景や叫びに“世界の響き”を聴きとり、閃光とともに炸裂するカオスの中に“関係”の網状組織を見抜きつつ、あらゆる支配と根づきの暴力を否定する確信と持続。グリッサンの思考がもっとも精緻に展開された、圧倒的な批評の軌跡。ロジェ・カイヨワ賞受賞作。

目次

1 接近―一つの接岸、千の渡り(開かれた船;流浪、亡命;詩学;根づいた流浪)
2 基本要素、地水火風―基本的なものは絶対的にみずからを再構成する。(反復;拡がりと血統;閉ざされた場所、開かれた言葉;世界化されたバロックについて;詩の情報について)
3 さまざまな道程―声に出して、隔たりを記すために(クレオール化;口述する、命じる;塔を建てる;透明性と不透明性;黒い砂浜)
4 理論―理論とは不在、曖昧、そして吉兆(関係;関係とカオス;決定的な隔たり;そのそれ;結ばれ(中継され)、語られ)
5 詩学―ありつつあるもの、その実質において無限の多様(一般化;なくありつつあるもの;不透明性のために;開かれた円環、生きられた<関係>;燃える砂浜)

著者等紹介

グリッサン,エドゥアール[グリッサン,エドゥアール][Glissant,´Edouard]
1928年9月21日、マルティニク島の山村ブゾダン生まれ。詩人、小説家、思想家。デレク・ウォルコットと並ぶ、現代カリブ海文学の第一人者。ニューヨーク市立大学大学院教授。1946年、パリに留学。哲学と人類学を専攻し、同時にアフリカおよびカリブ海域に関わる種々の政治/文化運動に参加。一方で、本格的な創作をはじめる。詩集『島々の野』Un champ d’´iles(1953年)以来、数多くの著作を発表してきた

管啓次郎[スガケイジロウ]
1958年9月3日、愛媛県山間部の野村町生まれ。翻訳者、エッセイスト。70年代末、文化人類学者・西江雅之によってピジン・クレオール言語学とカリブ海文化に目を開かれる。東京大学、アラバマ州立トロイ大学、ハワイ大学、ニューメキシコ大学、ワシントン大学(シアトル)で、フランス地域研究、アメリカ文学、文化人類学、チカーノ文学、アメリカ先住民研究、比較文学を学ぶ。明治大学理工学部助教授(英語)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スミス市松

17
古典主義からバロック、現在に至る時代の流れの中で、私たちは〈他者〉が自らのうちにあることを“知っている”。「よそで起きたことは、ただちに、ここに響く」――この個人に対する直接的・断片的な反響が詩人たちに、開かれた全体性かつ爆発する網状組織としての〈関係〉を想像させた。そして〈関係〉の詩学とは、〈関係〉それ自体がもつ性質によって世界中の個人や共同体の叫びが集合した〈世界の響き〉を想像し描き出すひとつの態度であり、感じとられた複数の〈世界の響き〉が、私たちの生きる〈世界というカオス〉を作り上げる。2018/05/20

Bartleby

13
表紙のトロピックな写真が好き。グリッサンの出身地であるアンティル諸島における“島”どうしの関係も含め、世界に離散させられた黒人の境遇を“関係”という抽象語に集約しているらしい。ドゥルーズの哲学を下敷きにして。遊牧性という概念も黒人にとってはいくらか皮肉な響きを持つが、グリッサンが用いるいささか難解な詩的で抽象的な概念の良いところは、かなり具体的な主題を過去も未来も同程度の射程に入れながら同時に語れるところだ。2022/12/29

moti moti

1
マルティニーク島のミュージシャンkaliはグリッサンらを「ご安心ください。この島の革命家はみんな公務員だから。」的な感じで皮肉ったらしい。このエッセイでも、なんというか、カリブ海の音楽や小説に感じる人間味の様なものがイマイチ感じられない。語っている内容は割と人間臭い感じもするし、共感もできるけれど。でも、正直に言って、内容は10分の1も理解できなかった。 2022/02/08

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