内容説明
生きることは苦行ではなく、遊びなのだ。シンプルに賢く生きてさえいれば。―ソロー。人生の針路に迷ったとき、この本を開いてみてください。シンプルな絵の中に珠玉の言葉が散りばめられています。
著者等紹介
ソロー,ヘンリー・デイヴィッド[ソロー,ヘンリーデイヴィッド]
1817年、アメリカのマサチューセッツ州コンコード生まれ。ハーヴァード大学卒業後、パブリックスクールの教師を務めるも辞職し、ウォルデン湖ほとりの森で自給自足の生活を始める。本当に必要なもの以外すべてを捨ててシンプルに、自然と一体になって暮らす。こうした生活をひとつの実験と考え、日記に詳細な記録として残したのが『森の生活』として結実する。1862年、44歳で死去
ポーサリーノ,ジョン[ポーサリーノ,ジョン] [Porcellino,John]
1968年、シカゴ生まれ。作家・イラストレーターとして30年以上、コミックやグラフィックノベルなどを手がけている。1989年から始めたKing‐Cat Comicsシリーズで知られ、それらを集めたDiary of a Mosquito Abatement Manは小出版社によるコミックに与えられる賞Ignatz Awardsを2005年に受賞した
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年岡山県生まれ。翻訳家、英文学者。法政大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
102
今から約180年前ウォルデン湖の近くに小さな小屋を建ててそこに住み、最低限の食料を作る以外は執筆と読書に当てた。そんな生活の中で執筆した文章をまとめた「森の生活」はアメリカ文学を代表する著作となったが、出版当時はあまり注目を集めなかった。「質素で、他人に頼らず、寛大で、信頼を基盤においた生活を送る」「この世界で生きることは苦行ではなく、遊びなのだ。シンプルに賢く生きてさえいれば」単純だけど味わいのあるマンガと本から抜粋された文章。マンガのパネルディスカッションと「森の生活(抄)」が載る。雰囲気は伝わる。2023/03/10
mocha
88
読んでみたいけど敷居が高かった『森の生活』。漫画で読めるのなら、と手に取った。究極のシンプルライフを実践し、環境問題や物質主義にいち早く問題提起をしたソロー。力の抜けた絵とはしょった文章が、静かで余白の多い生活を実感として感じさせてくれる。うるさい社会に煩わされず、真にやりたいことだけをやる。その日々は確かに理想的だ。けれど、彼に代わって税金を払った叔母(不本意ではあっても)や、住む場所を提供した人物がいたことを考えずにはいられない。2019/09/28
Koichiro Minematsu
45
ソローは森でシンプルに賢く生きた生活をした。自然から得られる叡智に気づいた時、人は幸せになれるんだ。これから暖かくなる春、良い季節がもうすぐです。ソローは思想家と言われますが、行動家ですね。そうありたい。2023/01/29
しん
40
ヘンリー・デイビッド・ソローの『森の生活』は、読んだことはないけれど、どのような本なのか漠然と知っていたつもりだった。文庫本の上下巻で出版されていて、いつか読んでみたいと思っていたところ、この本を本屋さんで見つけた。これなら、『森の生活』のエッセンスを簡単に読めるかも知れないと思って。言葉は少なく、とても静かで、淡々とした感じなんだけど、じわっとした味わいがある漫画だった。そして後半50ページの『森の生活(抄)』は、難しい文章ではないのだけど、読むのにかなり時間がかかった。とても良い本だった。2018/11/13
マリリン
35
宿泊したハット・ウォールデンにあった本書を読む。コミックだが1/3があとがき。ソローの生い立ちからウォルデン湖へ駆り立てた思想が静かに浸透してくる。評価していたのは未読の「緋文字」の作家ホーソンや「若草物語」のオルコット等。宗教的教義や共同体への服従より、個人的な直観を大切にする超越主義運動の一員だったという。社会の中心から離れて暮らすために選んだのがウォルデン湖の辺り。庭仕事等で収入を得、シンプルで自由に暮らすが、社会から逃れようとしたわけではない。現代の環境主義運動の父と呼ばれているのも納得。 2025/04/10