内容説明
天皇とは何なのか、天皇制とは何なのか、その真実を知ったとき、著者は天皇を畏れ敬う必要のないことを確信し、著者の精神は天皇の束縛から自由になった。著者の精神は自由になったが、著者自身は天皇から自由になっていない。それは著者の属する日本の社会がいまだに天皇にとらわれ続けているからだ。
目次
第1章 天皇とは何か―なぜいま「教育勅語」を問いなおすのか
第2章 近代天皇制の毒―天皇制の毒がまわりきった社会では何が起こったか
第3章 天皇の軍隊―日本軍はなぜ愚かな戦いを続けたのか
第4章 臣と民―「君が代」の「君」を天皇と言いくるめるのはなぜか
第5章 象徴天皇制―現代の天皇制は本当に「無害」なのか
第6章 昭和天皇の戦争責任―昭和天皇の「伝説」は果たして真実だったのか
第7章 天皇制の未来―天皇制から自由になるために我々は何をするべきか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazutaka
3
サッカーをやっている主人公が、部活動での不合理や理不尽なことを、全部皇室のせいにする、もはやギャグ漫画。著者は『日本の社会を眺めてみれば、政界、企業、学校などいたるところ、不合理な上下関係で締めつけられ、道理も正義も通らないことばかりだが、それは社会の根底が「象徴天皇制」という虚構の上にたっているからなのだ。(P279)』と結論づけているが、思い通りにいかないことやヒエラルキーは海外でもあり、全部皇室のせいにするのは子供のいちゃもんみたいなものでしかない。小林よしのりの『天皇論』シリーズと併読をおすすめ。2014/04/19
neetn
3
雁屋哲氏の歴史認識、思想を端的に知れる本として優れている。2012/09/09
不動 明
0
偶然だが‘黒山もこもこ~”と‘自分探しが~”の流れで読んだので、日本人の気質をミクロ~マクロの視点で窺うことができた。歴史の流れと天皇研究、それを漫画を入れて作者のもう一度考えてみようというメッセージ。2010/01/11
Cephalopoda
0
学校の理事長のおじいさんが学生たちに天皇制ってろくでもないということを教育する話。天皇制にノーというのは良いのだけど、自民党広報並みに家父長制バリバリな構図でそれをやるというのはいかがなものか。2020/02/18