出版社内容情報
「太一と夜泣き松」のおはなし
どこもかしこも山ばかりの山奥の村に、樹齢700年になる「夜泣き松」という大きな松の木が立っていました。その夜泣き松のそばに太一という少年が住んでおりました。太一は夜泣き松によく登って遊んでおりました。
ある夜、その大事な夜泣き松が火事になってしまいます。太一と子ども達、まわりの大人たちはがっかりしましたが、子ども達は「夜泣き松」に語りかけます。よみがえる事を祈りながら。そして、次の年の春に奇跡が…
夜泣き松は長野県大鹿村に今も実在する樹齢700年になる大きな赤松です
木々のメッセージを子どもの心に届けたい
長野県には、各地に数多くの巨樹・古木があります。
幾多の時代を乗り越え、地域の人々の暮らしを黙って見つめ、今もすっくと立っている木。人の一生の何倍もの時間を行き続けてきた木々たちは、生きていくための大切なことを、語りかけてきます。思いやりの心、絆、命の営み、畏れ、自然のなかで生きること等々…言葉を超えて伝わってくる木のメッセージには、未来を生きる子どもたちに、もっとも伝えていきたい物語が息づいています。
私たちが豊かさと引き替えに失ってしまった「生きる力」を、木々の力を借りてもう一度もう一度子どもたちに取り戻していかねばなりません。そのために、私たちはまず、絵本を作りたいと思いました。子どもといっしょに、お母さんも、お父さん読んでください。まだ字の読めない子どもには、どうぞ読み聞かせてください。
シリーズの中には、音楽のついた絵本もありますし、ときには写真の絵本もあるでしょう。絵本からオペレッタやミュージカルが生まれるかも知れません。私たちは、木々の物語が子どもたちの心の中で響き、育ち、生きる力となって根を張っていくことを願っています。
この「木の絵本シリーズ」は、子どもたちの心に木を植えるプロジェクトでもあります。どうぞ、1人でも多くの人に、木々のメッセージが届きますように。そして、未来を生きる子どもたちの心のどこかに、小さくともしっかりとした根を下ろし、辛く苦しく孤独なときにも子どもたちを支えてくれますように。
願いを込めて手渡していきたいと思います。
財団法人 長野県緑の基金副理事長 丸田藤子
「子どもたちの心に木を植えよう!
命の尊さ、思いやりの心、人と人との絆……
巨樹古木が伝えてくれるメッセージを子どもたちに届けたい。
樹々たちの“生きる力”が、どうぞ子どもたちの心に根をはり、豊かな葉を繁らせますように」
この木が伝えてくれる物語シリーズは、長野県内に実在する巨樹・古木と子ども達のふれあいを描いた絵本です。
数百年の風雪に耐え、今なお元気に立ち続ける巨樹・古木からのメッセージを子ども達に聞かせてあげて下さい。
この本の売り上げの一部は「緑の基金」を通じて森林づくりや子どもたちの環境教育に役立てられています。
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