高齢者のための療法的音楽活用

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  • サイズ A5判/ページ数 311p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784900666399
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C3011

出版社内容情報

《内容》 推薦文(1)
「本書は、現在の音楽療法界で,本当に必要な二冊目の本である.『音楽療法入門(上)(下)』(デイビス,グフェラー,タウト共著,一麦出版社刊)に続く本格的な活用書がようやく翻訳・出版された」・・・栗林文雄(北海道医療大学看護福祉学部教授,日本音楽療法学会理事,全米音楽療法協会公認音楽療法士〔RMT-BC〕,音楽教育・音楽療法学博士〔Ph.D〕).
推薦文(2)
「この本は,老人学の分野の専門家に,高齢者に対する音楽の有効性についての確実な知識を与えてくれる」(メラニー・チャヴィン).
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 本書は,高齢者に役立つ音楽を選択するための方法と,その最も効果の高い活用方法を教示している.被介護者,介護者ともに実用価値の高いガイダンスである.
内容紹介
 音楽療法の驚くばかりの有効性は,長期介護に携わる人や老人学の専門家によって,以前から認められてきた.本書は,音楽の有効性を検討するだけでなく,音楽が有効である理由を明らかにしている.この重要な本は,専門職である介護者と素人である介護者の両者が,高齢者(身体障がいや,痴呆を持つ人も含めて)の生活の質を豊かにするために,音楽をどのように活用したらよいかを教示してくれる.
 アメリカにおいて音楽療法士の第一人者である著者によって書かれた本書は,次のような目的で音楽を活用するための方法を提供している.
 ・不活発な状態,不快感,決まりきった日課からの気分転換
 ・欝状態,不安感,不眠症,興奮状態の軽減
 ・問題行動への対処
 ・身体面,情緒面の刺激
 ・心臓疾患,パーキンソン氏病,脳卒中患者のリハビリテーショ  ン
 ・ペイン・コントロールの補助
 ・社会性,コミュニケーションの促進,感情表現(怒りや深い悲  しみも含めて)
 ・高齢者の介護に携わる人のためのストレスや緊張の緩和
 音楽は,健常な高齢者にとっても価値ある療法的活動であるが,痴呆症の高齢者のためにも用いられる.軽度,中度の痴呆老人は,意味をなす会話をもはやできなくなった後でも,歌い方を覚えている人が多い.介護者は,そのような人々に対する音楽の驚くべき効果を発見するであろう.本書は,介護者が被介護者の環境に慣れ親しんだ音楽を取り入れることで枠組み,秩序,予測性を与える援助をする.本書は,高齢者に携わる人や家族にとって真に有益なものであり,被介護者,介護者両者の生活の質を向上させるであろう.

著者紹介
 アリシア・アン・クレア(Alicia Ann Clair)は,ローレンス市にあるカンザス大学の教授であり,音楽療法科の主任である.彼女は,カンザス大学の老人学部門,そしてカンザス州トピカ市にあるコルメリー・オニール退役軍人医療センター(Colmery-O'Neil Veterans Affairs Medical Center)の研究員も勤めている.全米音楽療法協会の前会長でもあり,クレア博士の,高齢者の分野における臨床と研究実績は世界的に認められている.
 クレア博士は,音楽療法の臨床経験を積みながら,カンザス大学において修士号と博士号を取得した.彼女は,1975年から高齢者の分野での研究を続け,アメリカ国内と国外の学術雑誌に数多くの論文を発表している.彼女は,健常な老人,虚弱な老人,痴呆老人,そして介護者のために活用する音楽の特徴とその療法的効果について,専門的に臨床研究を続けている.
訳者紹介
 廣川恵理(Eri Hirokawa)
 新潟県小千谷市生まれ.現在,カンザス大学音楽療法科博士課程に在籍.全米音楽療法協会,全日本音楽療法連盟認定音楽療法士).

推薦の言葉
 この本は,音楽を高齢者のために活用したいと思っているあらゆる人達,特に高齢者を介護する人,音楽を療法的に使いたいと思っている高齢者,そして様々な残存能力を持つ高齢者の生活の質を維持・向上させるために働く,専門職の人達のために書かれたものである.またこの本は,高齢者を対象に実践を始めた音楽療法士,まだ経験が浅い人と,長年の経験を積んだ後,専門家としての活動の焦点を変更した人,両者にとっても役立つものである.
 この本に示された情報は,高齢者のために,そして高齢者と共に音楽を活用するための理論的な基礎が含まれている.ここには,詳細な療法的応用方法,または実践プロトコルは含まれていないが,効果的に生活の質に影響を与える音楽活用の実用的なアプローチは含まれている.この本は,専門的な音楽療法の代用をするために書かれたものではなく,他分野の専門職の人が音楽療法を行なうために書かれたものでもない.しかし,この本に書かれている情報によって,身体的,社会的,情緒的反応に影響を与える音楽の力への認識を高め,良い変化をもたらすために活用することは可能である.
 私は,音楽の使用が健康と幸福な状態のために利益をもたらす,というほとんどの人がある程度知っている情報を明らかにしてきた.この本ではさらに,音楽が有効な理由を明らかにしていく.この本の中では,高齢者と共に音楽を活用するための理解しやすい理論的な概要,具体的な目的のために賢明に音楽を選択するための情報,そして,最高の成果を達成するための助言を提供する.また,高齢者を介護する人のことも考慮した.本著の情報は,健常な高齢者と,様々な健康上のニーズがあり,ケアを必要としている高齢者の幸福と,生活の質を高めるために音楽を活用することが中心になっている.・・・栗林文雄(北海道医療大学看護福祉学部教授、日本音楽療法学会理事、全米音楽療法協会公認音楽療法士〔RMT-BC〕、音楽教育・音楽療法学博士〔Ph.D〕).    

《目次》
日本の読者の皆様へ
まえがき
推薦の言葉(栗林文雄)
第1章  音楽療法の概要 
第2章  健常な高齢者のための療法的な音楽
第3章  痴呆の人に対する音楽の療法的なアプローチ
第4章  高齢者の問題行動に対処する音楽の活用
第5章  リラクセーション,ストレス対処法,疼痛緩和のための音     楽
第6章  身体運動における音楽 
第7章  手術,苦痛を伴う治療,緩和ケアにおける音楽の活用
第8章  身体リハビリテーションのための音楽
第9章  スピリチュアリティ(霊性)における音楽
第10章 介護者のための療法的な音楽
「付属資料」A 漸進的リラクセーション
「付属資料」B 瞑想的リラクセーション
「付属資料」C 視覚化によるリラクセーション
「付属資料」D 顎下げリラクセーション技法
訳者あとがき

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