出版社内容情報
世界が尊敬する絵本作家、パトリシア・ポラッコ(『彼の手は語りつぐ』『ありがとう、フォルカーせんせい』他)の自伝的作品。
子どもたちはおばあちゃんに帽子をプレゼントしようとするが、帽子屋さんに誤解されてしまう。けれどイースターの飾り卵を持って話に行ったら誤解は解けた。日曜日、おばあちゃんは帽子をかぶって教会で晴れ晴れと歌う。子どもと大人の心の交流をあたたかく描く。
小学校中学年から。日本図書館協会選定図書。厚生労働省社会保障審議会推薦。
人種や民族が、サラダボールのなかのようにまぜこぜになっている国。そんなアメリカのある町での、復活祭を目前にした出来事がリズミカルな語りと華やかな色調の絵でくりひろげられます。何があっても、しっかり受け止めてくれるおばあちゃんと、子どもたちの間に通う信頼と愛情が、温かく、懐かしく語られます。つらい過去の体験からかたくなに心を閉ざしている帽子屋のおじいさんが、一途な子どもたちの思いに触れて、ほんのわずかずつ打ち解けていく様子が、文章と絵とでフーガのように表現されていきます。最後のページに込められたユーモアと、深く大きな愛と懐かしい想いに、胸を打たれます。まるで、美しい映画を見たような感動を覚えたという、感想をいただきました
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
34
この人の本大好きなんです!男子二人&女子一人の、わんぱくだんのような友情。三人を暖かく見守るおばあちゃん。辛い思いをしてきた帽子屋さんの腕にはさりげなく番号の刺青があります。多様な背景の人たちが支え合い、愛し合い、家族となる。それは決して夢物語ではなく、ちょっとした勇気と努力で実現できる。強い気持ちになれる愛の詰まった話です。「私はお酒がいいな」と言ったらオタマが「あれ?お墓嫌なんじゃなかったの?」あ、そうだ、こないだは海にまいてほしいと言ったんだ。裏表紙の三人組の写真に胸キュン。2018/09/11
gtn
25
近所の黒人兄弟と仲良しのロシア系米人の著者が、三人で兄弟の契りを結び、晴れて偉大なる祖母の孫となる。三人は日曜日には祖母手製のフライドチキンを頬張る。他の本で知ったが、フライドチキンは黒人のソウルフード。白人が廃棄したローストチキンの骨とほんの少しこびり付いた肉片を、なんとか旨く食えないかと、黒人奴隷が高温の油で揚げたのが起こりとか。気難しいが心優しいウクライナ系の帽子屋の登場もあり、人間っていいなと思わせるハッピーエンド。2024/07/15
ochatomo
16
アメリカのイースター絵本 ゴールデン・カイト賞(絵本・絵) ウクライナの染め卵ピーサンカがとりもつ子ども達の真心を伝える行動に感動 おばあちゃんが魅力たっぷりに描かれる 献辞と登場人物の名前が一致し実話と思う 原題“Chicken Sunday” 元本1992年 1997刊2020/03/13
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
母と女性教職員の集いブックトーク&読み聞かせ(ブックトーク 小学校低~中学年向け) 正直に生きる人たちの物語 『小学校での読み聞かせガイドブック プランニング遊』で、朝読書のプログラムが参考になったので、記録しておきます。6年生予備本 <11分>2012/11/23
ヒラP@ehon.gohon
12
【再読】大人のための絵本2023/05/11