フランス敗れたり

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784900594838
  • NDC分類 956
  • Cコード C0031

内容説明

かつて日本国中を巻き込んだ大ベストセラー、待望の復刊。文学者アンドレ・モーロワが、フランス敗北の真因に迫ったドキュメンタリーが、日本の「今ここにある危機」を照射する。

目次

1 「英仏はなぜ戦争準備ができていなかったか」について
2 「開戦初期の八ヶ月間を英仏はいかに空費したか」について
3 「個人的衝突がいかに戦争行為を阻害したか」について
4 「ドイツの電撃戦はなぜかくも急速に成功したか」について
5 「英仏はいかにして離間されたか」について
6 フランスの悲劇

著者等紹介

モーロワ,アンドレ[モーロワ,アンドレ][Maurois,Andr´e]
1885~1967年。フランスの作家・評論家。アカデミー・フランセーズ会員。ルーアンの高等中学校で哲学者アランに学ぶ。第一次世界大戦の際、英国軍との連絡将校を務める。18年、その時の体験を元に著した『ブランブル大佐の沈黙』で作家となる

高野弥一郎[タカノヤイチロウ]
翻訳家。1902年(明治35)新潟県小千谷市生まれ。33年(昭和8)早稲田大学文学部文学科英文学専攻卒業。大学在学中に「サンデー毎日」の懸賞小説に応募し入選する。翻訳業のかたわら、武蔵野音楽大学、長岡高等学校、長岡女子高等学校などに英語教師として勤務。92年(平成4)没
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感想・レビュー

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或るエクレア

13
WW2でフランスがわずか1ヶ月ほどでドイツに敗れたことについて、当時の連絡将校がまさにリアルタイムで書いた本。装備の遅れ、産業政策の問題、国内の政治的対立などいろいろあるが、根本の原因はモラルの低下や平和至上主義に陥ったことにあるようだ。この辺、今の我が国にもかなり当てはまって恐ろしい。2017/05/29

パトラッシュ

10
民主主義の基本は権力の分散だ。独裁ではなく三権分立で民意を汲みながら政治を行う。文句のつけようもない理想だが民衆も指導者も常に正しいという性善説に立つのが致命的欠陥である。民主主義国フランスは隣に戦争を決意したナチスドイツが誕生しても、第一次大戦に懲りて平和を望む民意に迎合した政府は現実を直視しなかった結果、6週間での国家崩壊を招いた。日本も近隣に二つの独裁国がありながら平和至上主義と国連への過剰な期待など、当時のフランスと酷似した状況下にある。平和も自由も国を守る気概あればこそとの著者の主張が心に苦い。2020/05/12

がんぞ

7
表紙は1940年6月14日、シャンゼリゼ通りを闊歩するドイツ歩兵師団の入城行進。パリには三色旗に代わってハーケンクロイツが翻ることになった。Ⅰ「英仏はなぜ戦争準備ができていなかったか」/Ⅱ「開戦初期の八ヶ月間を英仏はいかに空費したか」/Ⅲ「個人衝突がいかに戦争行為を阻害したか」Ⅳ「ドイツの電撃戦はなぜかくも急速に成功したか」WW2開始はポーランド侵攻だが、宣戦布告からも英仏では日常生活が続いた間を『奇妙な戦争』と呼ぶ。悔恨を込めたフランスでの呼称。5月10日〜13日ドイツ軍西部戦線大攻勢で、英仏軍は敗走2019/02/13

4
英仏首脳や軍幹部にかなり近い立場にあった著者による、生々しいフランス敗戦の記録。1940年に出版され、当時の日本でも大変な反響を呼んだ。フランスがいかにして敗れたか、その様々な要因を、敗戦直後にしてきわめて鮮やかに浮かび上がらせている。特にダラディエ、レノー両首相に対する冷徹な見方は著者ならではといえるのではないか。しかし某氏の言及どおり、中西輝政による解説は完全に筆が滑っているという感じで、本当に背景の解説にとどめて、あとは読者の感じるままに任せるべきでは…2018/03/31

wei xian tiang

4
観念的な革命願望から、自国の敗勢、自民族の滅亡を喜ぶ倒錯した左翼思想の恐ろしさ。フランスはフランスに敗れたのだとも言える。2018/02/14

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