内容説明
T銀札幌支店の一社員、沢井修二が財閥の一人娘立原麻由美と恋に落ちて阿寒湖へ旅行に行くところからこの物語は始まる。麻由美の強力な後ろだてを得て修二は専務までのし上がるが、麻由美の傲慢な愛に、性格的にひ弱な面のある修二は次第に憎しみを抱いてゆく。愛人の里見隆子にそそのかされ、麻由美殺害を決意した修二は、二人の思い出の地阿寒湖に彼女を誘い出し決行に及ぶ。麻由美絞殺の直後、フロントに呼び出された修二は部屋へ戻り愕然とする。麻由美の死体が消えていたのだ…。女流作家北城恵が阿寒湖を舞台に描く、愛そして、ミステリー。