内容説明
明治期の小説で、いまでも不特定多数の読者に支えられているのは、せいぜい漱石くらいのものだろう。本書は5部構成で、著者が好む柳浪・緑雨・魯文・桜痴・天囚・円朝等に迫る。
目次
『牛店雑談安愚楽鍋』の世界
高橋お伝とは何か
高橋お伝の本
『真景累ヶ淵』
林屋正雀の「水門前」
西南の役と文学・演劇
西南の役附記
『幕府衰亡論』を読む
天囚居士の諸作
「明治天皇誄辞」について
日の出島
柳浪のリアリズム
異り種
河内屋
柳浪の「雨」あるいは貧困の悲劇
柳浪の『人』
「亀さん」の紹介の紹介
「浅瀬の波」についてのどうでもいいようなちょっとした疑問
山田美妙の没落
「油地獄」と「かくれんぼ」素描
緑雨の「門三味線」
緑雨の読者
明治期下層社会の記録と文学
明治期小説にあらわれた東京の貧民街
著者等紹介
塚越和夫[ツカコシカズオ]
昭和6年東京生まれ。昭和32年早稲田大学大学院文学研究科(日本文学専攻)修士課程修了。現在武蔵野女子大学教授
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