クライテリオン叢書
絶望の果ての戦後論―文学から読み解く日本精神のゆくえ

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  • サイズ 46判/ページ数 544p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784899920892
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

文芸誌には絶対に載らない、ド直球の文学論!多極化する世界で、アメリカに甘えてきた日本人は自立できるのか。日本人の真価を問う対米従属文学論。太宰治、三島由紀夫、大江健三郎、村上春樹、村上龍、高橋源一郎、島田雅彦…。

目次

第1部 座談会 対米従属文学論(「平和」への戸惑い 太宰治「トカトントン」大岡昇平「生きている俘虜」;「戦後的日常」への頽落―「第三の新人」をめぐって 小島信夫『アメリカン・スクール』安岡章太郎「ガラスの靴」;「戦後的日常」の拒絶 三島由紀夫『真夏の死』「憂国」;戦後的ニヒリズムへの「監禁」 大江健三郎「後退的青年研究所」「セヴンティーン」;戦後的ニヒリズムの臨界値 開高健『輝ける闇』村上龍『限りなく透明に近いブルー』;高度成長後の風景 村上春樹『風の歌を聴け』田中康夫『なんとなく、クリスタル』;「国土の荒廃」を読む 石牟礼道子『苦海浄土―わが水俣病』富岡多恵子『波うつ土地』;「ポスト・モダン」の頽落を超えて 高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』島田雅彦『優しいサヨクのための嬉遊曲)
第2部 観念的な、あまりに観念的な―戦後批評の「弱さ」について(内なる他者の発見;隠された弱さ;自己を超えるものへの問い;観念のカタストロフィ;滅びぬ自然)

著者等紹介

浜崎洋介[ハマサキヨウスケ]
78年埼玉生まれ。日本大学芸術学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了、博士(学術)。文芸批評家、京都大学大学院特定准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

42
批評誌『表現者クライテリオン』で連載されていた座談会。敗戦後から高度成長期、ポストモダンの時代の戦後文学史を辿ることで戦後の問題を考える。江藤淳と加藤典洋の仕事と重なっており、もちろんふたりの批評の方が優れてはいる。ただし文学の門外漢の評者が「大江をはじめて読む」「高橋は読めなかったから飛ばした」と立場のある人にとっては勇気のいることを正直に話しており、かえって前提の知識の無い方が鋭い指摘をしていることも珍しくなく、上げ底の無い文学論として大いに参考になる。保守の立場を明確にしているため、三島に対して非常2025/06/18

金北山の麓に生まれ育って

2
【戦後文学史の象徴作品紹介座談会+藤井聡の精神史】が正しい題名ではないか、対米従属云々はプロレス的過激さの装いなだけ、浜崎氏はオーソドックスな文学史をキチンとなぞってます。ただ①大江の項で知識人3パターンを分けバッサリ切って捨てる大胆さ②『ギャング』の小説構造の大胆な解釈③三島や春樹へのバランスの取れた評価等々、大変感銘を受けました。しかしこの本は藤井聡氏の、特に三島や春樹です、聴いてるこちらが恥ずかしくなる熱苦しい自分史を重ねた踏み込んだ『思い出』の吐露箇所がハイライトです、これなしでは魅力が半減します2024/09/01

mori-ful

2
駄本。2024/06/22

聖牟司

0
浜崎洋介の批評だけ興味深かったが、「もの」を外的な存在としていることには首肯できない。2024/10/21

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