内容説明
PKO、東日本大震災、北朝鮮ミサイル、尖閣。日本の危機に自衛隊トップはその時、どう決断したのか。自衛隊46年、統合幕僚長4年6カ月の自衛官人生、今そのすべてを語る。
目次
第1章 防衛大学校に補欠合格
第2章 希望の配置にはいつもつけずに
第3章 「顔の見える」自衛隊へ
第4章 艦長を経て米海軍大学留学へ
第5章 9・11同時多発テロ―ショウ・ザ・フラッグ
第6章 イージス艦「あたご」衝突事故で防衛部長更迭
第7章 統合幕僚副長就任―東日本大震災の怒涛の日々
第8章 海上幕僚長就任―「あたご」事故の教訓
第9章 統合幕僚長の四年六カ月
著者等紹介
河野克俊[カワノカツトシ]
1954年(昭和29年)、北海道生まれ。昭和52年に防衛大学校機械工学科卒業後、海上自衛隊入隊。第三護衛隊群司令、佐世保地方総監部幕僚長、海上幕僚監部総務部長、海上幕僚監部防衛部長、掃海隊群司令、海将に昇任し護衛艦隊司令官、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を歴任。平成26年、第五代統合幕僚長に就任。三度の定年延長を重ね、在任は異例の四年半に渡った。平成31年4月退官。川崎重工業(株)顧問。『統合幕僚長―我がリーダーの心得』が初めての著書になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SGR
10
長らく統合幕僚長を務められた河野克俊氏の自衛官人生を振り返る、自伝のような本でした。統合幕僚長を長期間務められたことから、エリート人生を歩まれたのだと勝手に思っておりましたが、その自衛官生活は波瀾万丈に満ちており、多様な困難に直面し、それを乗り越えられた経験や知見を活かし、組織を改善に導くリーダーシップや思考法は仕事術としても抜群だと思います。 資料は少なく、会議は短く、電話も短く。 著者の影響で坂の上の雲を読み始めましたが、本書の中で紹介された他の本も読んでみようと思います。2024/02/24
よしあき
6
題名どおり、統合幕僚長まで務めた筆者の自衛隊人生を綴った本。いかに信頼のおけるまともな人物かよくわかる。 立場が立場なだけに書けないことが多いだろうので、そこまで濃度が高いわけではないが、よくまとまっていて、読みやすかった。 もう少し自衛隊の意識のところを突っ込んで書いて欲しかったが、それは今後の執筆に期待することにしたい。2020/12/19
takao
4
資料は少なく、会議は短く、電話も短くが仕事上のモットー2023/06/23
どらんかー
4
現代の徳川家康のようでした。2021/06/26
金吾庄左ェ門
3
防大の補欠合格に始まる自衛官人生は順風満帆とは行きませんでした。本当に七転八倒と言う感じです。一度はクビ同然になりかけながらも、本人曰く田母神閣下のおかげで統合幕僚長という最高ポストに就任するのですが、そこからが素晴らしいの一言。中国の尖閣における振舞いや、韓国のレーダー照射に統合幕僚長としてガンとしてモノ申しています。過去には栗栖、田母神とまともな発言をしただけなのに、特定の外国や勢力に配慮してクビなった例がありますが、この方は弱腰政治家とは違い自衛官として発言したのです。まさに国民の統合幕僚長です。