感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ujiro21
4
議論と根回しに思うところがあり読む。近年、普通に使われる二重敬語の『させていただきます』と終助詞の『ね』を例に、日本語の察してもらう言語であると述べられる。更には、無自覚の同調を強いる言語であることも。奥ゆかしさを感じつつ、村八分を生み出す一員に恐ろしさを覚える。形ばかりの会議になる原因、ガス抜きに終始する根回しに対して、意見と発言者の人格が結びつけられる日本語の特性があり、争いを避けると。必要な議論を無駄に恐れないように、日本語話さない人や複数世代が関わる中では特に気をつけていこうと思えた2023/09/05
これから考える
2
日本の議論は論理的でなく欧米のような議論をしなければならないといった切り口は散々聞いてました。本書は、その根拠として日本語の構成、文法が問題だとの指摘は新鮮でした。たしかに、「ね」「よ」「か」の使い方は言われてみるとその通り、目から鱗でした。日本語のために論理的な議論ができないのか、日本人の思考形態が論理に向かない言語をつくったのかは、鶏と卵なのでしょうね。自分が議論する際に、こういった日本語の特性を意識してみたいと思います。2019/10/06
むっち
1
日本語の謙譲語が議論をしにくくうしているとか、丁寧語は議論を円滑にする要素になっていて増加している等の指摘はなるほどと思う。日本人が議論へたなのは、日本語の構造が原因というのはどうかな。言語の特質で調和を大切にするからは構造のせいというより、そういう文化なんでは?英語で議論するとき前に根回しはあるだろうから、公開の討論で日本語が使えないということはない。論点整理がきちんと出来ているかは日本語を英語的に使用することで可能だし、議論の技術では、日本でも法律学も議論の技術の一つだと思う。2021/05/04
さの棒術
1
日本語には疑問形がないというのが発見だった。言われてみればそうだと思った。それはそうと、自分は日本的ではないなと自覚した。空気読んだ上にそれに従わないし、根拠のない意見には突っ込みたくなるし、目的の曖昧な会議も苦痛。どんな意見かよりも誰の意見なのかに重きを置くのが日本の議論の特徴。色々と興味深い本だった。2019/10/10
Orange
0
日本語というのは、情緒や四季などの自然を表現するには抜群の言語なのだと思うけれど、論理的なことを表すのは苦手なのかな、みたいなことを昔なにかで読んで引っかかっていたが、これを読んでああなるほどな、と。思考は言語で行うもので、故に言語に規定される。日本人ならば、日本語に。そういったことを考えさせられる。2022/08/09
-
- 洋書
- Risk it All