出版社内容情報
現代史を覆す、決定的真実!彼は軍部、左翼、更に昭和天皇まで利用しようとした。そして、近衛文麿は自殺したのではない!
内容説明
昭和天皇、陸軍、尾崎秀実、東条英機らを操り、敗戦革命を計画。戦後、一転してマッカーサーに取り入り、天皇退位を画策。復権を試みた近衛だが、彼のシナリオは思わぬところで破綻した。
目次
はじめに―近衛文麿は自殺ではなかった!
第1章 この世をば
第2章 革命児たち
第3章 レールを敷く
第4章 果報は寝て待つ
第5章 戦後覇権を掴め
第6章 最後の我が闘争
おわりに―近衛文麿の大望は歴史から拒絶された
著者等紹介
林千勝[ハヤシチカツ]
東京大学経済学部卒。富士銀行(現・みずほ銀行)を経て、現在、不動産投資開発会社役員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
97
近衛文麿の実態を暴くノンフィクション。日本の教育では大東亜戦争に至る原因を軍部の暴走とする。だが軍部だけで国が動かせる訳ではなく、そこには政治がある。支那事変から対米戦争直前までの首相は近衛文麿。近衛の手により支那事変を泥沼化し北進論を取らず対米戦争に突き進んだ事が分かる。戦中の近衛上奏文は手の平返しだ。コミンテルンの策謀した強国の敗戦による革命と赤化。WW2では世界中で成功した。あまりに多くの共産主義者が日本や世界の中枢に存在していた事を嫌悪する。公家政治家で君側の奸。日本を亡国に追い込んだのは近衛だ。2022/01/11
yamatoshiuruhashi
35
近衛文麿とはいったい何者だったのか。近衛が中臣鎌足にはじまる藤原氏の血筋を濃厚に示すように、天皇と国家を我が物に、自分だけの繁栄のために利用し続けた「公家」そのものであったことは本書によらずとも歴史の事実から疑いようもない。平安の昔から藤原氏にあるのは権力の掌握と一族の安寧だけであり、その処世術の権化が近衛文麿と言っても良いだろう。まさに公家が生き延びた術を昭和の歴史に凝縮している。この血を引く平成の首相もまた内閣を途中で投げ出し安全地帯から受けの良い言葉を吐くだけの責任を取らぬ公家であった。2018/05/11
カブトムシ
34
著者はよく勉強しており、つねに第一次の史料に当たっています。若くて良く読める人におすすめの本です。私は、YouTubeで視聴していました。私の父親は病気のため病床にあって、戦争に行きませんでした。戦後は松本清張をよく読んでいました。父はあまり読んでいませんでしたが、父の世代は阿川弘之の影響で海軍は正しくて、陸軍が悪かったと思っている人が多くいた様に思います。私は「山本五十六」は読んでいません。著者の見解をお聞きしたい。番組では、陸軍も十分な研究をしていたのが伝わりました。多くの人にお勧めしたい本です。 2022/08/04
ネコ虎
22
近衛は共産主義者だったのか。しかも日本国家を戦争と革命で清算して、ヒットラーの国家社会主義を模した自ら指導者になるという野望をもっていたようだ。周りは風見章、尾崎秀実ら共産主義者だらけで、近衛の優柔不断さで引っ張られたと思っていたが、確信犯的のようだった。山本五十六や米内光政もとっても怪しい。日本が不利になるように強いられた戦争だった。敗戦後米国共産主義者に裏切られて挫折した近衛だが、死因は自殺でなく他殺と著者は暗示する。少し強引な話の運びの気もするが、概ねそういうものだったという説得力は感じられた。 2018/06/24
0717
20
ある意味、恐ろしい内容。近衛文麿、首相時代は風見章、尾崎秀実などの共産主義者を政権中枢に呼び込み、レーニンの「革命的祖国敗北主義」、「帝国主義戦争を内乱(革命)に転化せよ」というスローガンにもとづいて、支那事変から対米英戦争までレールを敷き、日本を敗戦へ導いたという。戦後はいち早くマッカーサーを訪れ、改憲の音頭をとり、昭和天皇の退位をほのめかし自らの保身を図る。しかし、共産主義とは恐ろしい。いまだに苦しめられている。2021/06/27
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