内容説明
猫、猫、猫…頭の中まで猫が住み込んでしまった画家の、愛のデッサン。総登場猫数690匹!
著者等紹介
猪熊弦一郎[イノクマゲンイチロウ]
1902年香川県出身、画家。東京美術学校にて藤島武二に師事。戦前パリに遊学しアンリ・マティスに学ぶ。戦後は東京、ニューヨーク、ハワイと拠点を変えながら、国内外で活躍。JR上野駅の大壁画“自由”や三越の包装紙デザインでも知られる。1993年逝去、90歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
68
Bunkamuraで次男と『猪熊弦一郎展 猫たち』鑑賞後、売店で即購入。水彩、油彩、版画、インク、それぞれに趣。お気に入りは、アイロンをしている女性の背中に猫が佇んでいるインク図(”題名不明”とのこと)。『丸亀の歌』の野球少年たちのレトロ感も可愛い。抽象画も思わず微笑む秀作多々。但し、最後に観た『葬儀の日』は別格。作品横の解説を読んで、猪熊氏の想いを私なりに感じた印象的な作品。いや~、良い意味で期待を大きく裏切ってくれたなぁ。心豊かになる日曜日の午後となりました。2018/04/08
アキ
66
猫を飼っていた人には表紙のネコの絵は納得できるらしい。一斉にこちらを見るネコたち。猪熊弦一郎はネコ好きで、1ダースもの数の猫を飼っていた程。猫好きで猫をモチーフにたくさんの絵を描いたんですね。今まで見たことのないようなネコのデフォルメされた抽象画と、時には女性と一緒にも描いていた。女性は猫のようなのか、猫は女性に似てるのか、どちらにしても猫と女性は猪熊氏のモチーフだったことは確かです。2020/10/17
大粒まろん
23
猪熊弦一郎氏は、昭和期の洋画家。私の知ってるところでは、三越の包装紙などのグラフィックデザインされた方。丸亀市に猪熊弦一郎現代美術館があり、建築家・丹下健三氏が設計した香川県庁舎の壁画は、猪熊氏の作品。 猫は猪熊弦一郎氏が好んで描いたモチーフ。夫婦揃っての猫好きで、一時期12匹も飼っていたとか。猫について書いた原稿も収録。谷川俊太郎氏による特別寄稿も掲載されている。猫、猫、猫な一冊笑。2023/08/23
アナーキー靴下
23
猪熊弦一郎氏のことは知らず、猫画集に興味を持って。大雑把には、デッサンは写実的なものが多くて、カンヴァス作品は抽象画、版画に至っては思念か、ってレベルに抽象化されていて面白い。でも、抽象化された猫は、猫って思えるのと、うちの猫はこんなじゃない、って思うのがいる。「最近私が描く猫の顔が私そっくりになってきたのには閉口します。」なるほど。うちの猫も私に似てきたし、私もうちの猫に似てしまった。うちの猫はもっと小狡い。なのでちょっと違うな、と。2020/10/27
にがうり
20
文化村の猪熊弦一郎展で、図録代わりに販売されていたので購入。タイトルのついた作品より、タイトルのないさりげない線画のほうがキュンとする。図録じゃないので、収録されていない絵はポストカードで補った。ほのぼのとした絵からは焼きたてのパンとコーヒーの香りがしてきそうだが、実際には、猪熊家は動物園の匂いがしたそう。あれだけ猫まみれならそうでしょう。それでも猫を愛し続けたご夫婦にあっぱれ。2018/04/15