内容説明
パリを拠点に「変身術」をあやつり四十年。映画、舞台、オペラと、世界を駆ける日本人がいる。レイコ・クルックそのめくるめく冒険譚。
目次
イントロ
クローズアップ
フラッシュバック
ロングシークエンス(映画;特殊;舞台;造形;オムニバス)
フェイドアウト
著者等紹介
レイコ・クルック[レイコクルック]
長崎県諌早市に生まれる。高校卒業後、「NBCラジオ長崎」に入社する。アナウンサー室からCM室へ、さらにテレビ局開設と同時に「NBC長崎放送」CM室に移籍し、テレビ・コマーシャルやコピーライトを手がける。その後、大阪へ。化粧品会社「ピアス」で、商品企画開発に携わる。67年、フランス人建築家で日仏会館研究員のモーリス・クルックと結婚。71年、夫の帰国に伴い渡仏、パリに居住する。化粧品会社「ロレアル」「ゲラン」の商品企画アドバイザーを務めながら待望の映画界、演劇界へ、メーキャップで乗り込む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
紅咲文庫
20
長崎に落とされた原爆を20km先から目撃し、"焼き魚のように黒焦げになった被爆者達"(p.47)が学校へ運び込まれるのを見た10才の夏。今年89歳の著者が映るニュース映像を読了後に見たがほんとかっこいい。芸術家達との交友、目の前の仕事を真剣にこなしながら辿り着いた境地。生み出された人物や造形の写真も豊富。映画撮影前にメイクの仕事をキャンセルされた後、完成した死体の全身像を棺桶を模した木箱で送りつけ、完成度の高さに受け取り手を絶句させたエピソード等、こうやってきっぱり筋を通しながら仕事してきたのだなと感嘆。2025/09/14
Koki Miyachi
2
特殊メイクのパイオニアとして、フランス文化勲章叙勲まで受けた筆者の波瀾万丈の人生記。様々な出会い、持ち前の好奇心と負けん気の強さ。そして何より自ら動く行動力。その結果として、世界のショービジネスの世界で押しも押されぬ特殊メイクのスペシャリストとしての地歩を築いてゆく。しかし何ら特別なことをしている訳でもなく、自分の気持ちに素直に一つ一つの出会いや仕事に真摯に向き合い続けた成果なのだ。ここには何の気負いもなく、淡々と語られる率直な気持ちと事実だけがある。実に心地よく、楽しく素晴らしき人生。2012/08/17
ちた
1
この本は彼女が書いた「赤とんぼ」を読む上での参考資料として購入したというのが本当のところだった。赤とんぼを読んだ後に、と。しかしこの本を数ページ読んでそれが致命的な間違いであった。濁流の半生、フランスやハリウッドでメイキャップアーティストとして(特殊メイキャップにも派生して)の功績。表現者として一から戦ってきた一言一言の重み。天性の人間らしさ、揺るがない発想。映画、演劇などで世界から認められた人間の言葉が彼女らしい文章でコミカルにかつ情熱的に描かれている。表現に関わる人間はぜひこの本を読んでほしい。名著。2013/11/22
どんぐり
1
メタモフフォーズは、変身、変容、変貌、脱皮などの語義がある。著者は映画界などで活躍するメーキャップアーティストであるが、通常のメーキャップの範疇から大いにはみ出した仕事をしてきたことから、自身「変身師」または「ば化粧師」を表明している。本書は、この仕事をとおした冒険譚であり、他人の顔をつくる変身師と俳優たちとの交流がよく描かれていて興味深い。2011/09/08
どんぐり
0
メタモフフォーズは、変身、変容、変貌、脱皮などの語義がある。著者は映画界などで活躍するメーキャップアーティストであるが、通常のメーキャップの範疇から大いにはみ出した仕事をしてきたことから、自身「変身師」または「ば化粧師」を表明している。本書は、この仕事をとおした冒険譚であり、他人の顔をつくる変身師と俳優たちとの交流がよく描かれていて興味深い。 2011/09/07




