内容説明
強烈な存在感で日活ロマンポルノを彩った女優が、言葉で演じる少女と女のなまなましい瞬間。
著者等紹介
伊佐山ひろ子[イサヤマヒロコ]
福岡女学院高校から俳優座小劇場付属養成所を経て、1972年『白い指の戯れ』(村川透監督)で映画デビュー。同年、キネマ旬報主演女優賞を受賞。以後、映画、テレビに多数出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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loanmeadime
7
この著者の名前を見たら素通りできない、と言う人は私の年代には多いかと思います。散文詩と表現した方もいらっしゃいますが、幻想的ともいえる文章で驚きました。るい子とわたしの二通りの話がありますが、最終的には成長して女優の私が出来上がります。ただ、ポルノは実在の人物・映画を想起させすぎか、と思います。その日活の映画しか知らないのでウィキペディアを見たら、実に永く広くご活躍で、名優なんだなぁ、と感心しました。2019/09/21
さつき
6
一編目の、「燃える電車は、すごくゆっくりと遠ざかって行った」というタイトルがよすぎてそれだけでもうくらくらします。内容的にもこれがいちばん印象的かな、一人称で語られるものよりるい子という三人称で語られるところの方が印象に残ります。2011/11/30
kurumi
3
節々に見える性的描写と、死の描写が繰り返され、1人の女性が成長する過程を追っていく。作家の経歴も相まってか、ポルノが1番リアルに迫った印象を受けた。アブナイ行動をしている訳ではないのに、文章にアルコールが染み込んだ感覚のあるせいで、うつらうつらとした幻想を見せているようだ。不思議な余韻をもたらす小説である事は間違いない。2022/02/24
yonet35
3
子供時代にもどったり、大人時代になったり不思議な世界観の本でした。物語というより散文詩といった感じ。2011/02/13
helpless
2
円熟した女性が未熟な少女を描き文章から匂い立つ性と清潔さの薫りが美しい2012/01/22