内容説明
少女、小鳥、樹、花、お城。銅版画家・南桂子の世界は、沈黙の中でひらめく“ボヌール=幸福”。
目次
1 銅版画作品―カラーエッチング
2 その他の作品―初期作品/紙版・モノタイプ/水彩/グワッシュ/インク
3 執筆作品―童話/新聞コラム/詩
銅のフェティシズム―南桂子さんに(谷川俊太郎)
版画家 南桂子(朝吹登水子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
22
ボヌール・・・フランス語で「幸運、幸福」の意味だそうで。版画家の南桂子さんは、富山県高岡市出身。勤務校の同僚が、南桂子さんの評伝を編集しようと、ゆかりの地や人物を訪ねて取材している。この作品集では、銅版画の作品だけでなく、短い童話のようなお話、新聞に掲載された身辺雑記も読める。1954年にパリに渡ってから銅版画を学び、素敵な生き方を貫いてこられたことがわかる。2019/01/19
tera。
18
bonheur:幸せ。パリでの生活は作者が人生の中でやりたい事をし、好きな場所で好きな人と共に生きた、本当に幸せな時間だったのだと思う。それでも作品の中に少女が度々登場するのは、日本に残して来た我が子を思っての事なのだろうか。優しい色彩の中に憂いや悲しみを感じたり、ふんわりとした暖かみを感じたりするのは、作品を観る時の私の心情が影響するのだろう。現在、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションにて『南桂子展 ノスタルジア』が開催中との事なので、ぜひ行ってみたいと思っている。2014/05/18
Maiラピ
15
南さんの銅版画は彼女の童話『たつをのサジ』や彼女の唯一の道楽だった美しい彫金や面白いデザインやアイディアのアンティークジュエリーを彷彿させる。どうしてこんなに南さんの作品に心惹かれるのか。。。不思議。2011/06/07
Roy
11
★★★★☆ 好き。すがれた色彩と銅版画の細かく尖った線が、独特の美へと昇華している作品集だ。モチーフは鳥、少女、木や花、教会といったものが多いだろうか。生気を感じ取れない表情といい、寂寞とした風景といい、どこかうら寂しい印象を残す。2008/12/22
魚京童!
9
飾りたくはないが、好きだな。2014/09/25
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