感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
42
写真家「川内倫子」の魅力がこの一冊にすべて詰まっています。彼女がレンズを通して見える世界はこんなにも綺麗で優しくて儚いものなのだというのがひしひしと伝わってきます。今という同じ世界を生きていても彼女だけにしか見えない世界が確かにあって、そこには生があり、そして死がある。優しさの光を捉える目と悲しみの光を見据える目。生と死が常に隣り合わせの世界だからこそ彼女が撮る世界には“今”というかけがえのない瞬間を慈しむ気持ちが満ち溢れている。2023/04/17
(*'ω' *)@k_s
32
市立図書~水、光、音までも切り取ったような自然の風景。日常における生物の生と死、写真の持つえも言われぬ“力“に少しドキッとする。綺麗なだけが写真じゃない。視界に入っていても心に映らない風景、心の感度を上げれば見え方も変化してくる。『センス・オブ・ワンダー』の挿入写真で知ることができた写真家さんの写真集。2023/03/23
Mabel
10
異なるイメージを組み合わせて提示することから想起される鑑賞側のイメージは無限である、ということを確認できる写真集。川内が何かの対談で話していたが、中に一枚ある真っ黒なページ(印画紙を露光しただけのもの)は「またたき」なのだそうだ。そして続くクラッカーの写真。一瞬の自我の喪失とそれに続く目覚めを思わせる。何度見かえしても写真集の組み方の妙とそこから湧きあがるイメージに感服せずにいられない。2018/06/26
ふろんた
9
何気ない日常の1コマとそのそばにある死。不穏なものが周囲に潜んでいる。2015/08/13
シュエパイ
9
命と熱の塊のようなお祭りの写真のとなりに、無数の蝿に集られる少年の死体があって、不気味で気持ち悪くて眼をそらしたいのにみいってしまいました。2013/07/27