OD>ウェットサイエンスが拓くプロダクトイノベーション

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  • 商品コード 9784898080320
  • Cコード C3055

出版社内容情報

☆序文
(100)面シリコン基板上にしかLSI(大規模集積回路)を製造できなかった半導体技術が, 如何なる面方位のシリコン表面にも超LSI製造を可能にするとともに, 40年間続いた平面MOSトランジスタに替わって三次元構造MOSトランジスタを基本素子として大規模集積を可能にする革命的変化の時を迎えようとしている今, 半導体王国日本の復活をとの熱い思いを込めて本書を執筆しています。
ウェットプロセスは, 長い間精度の低い再現性の悪いプロセスだといわれてきました。事実, 筆者らが本書に執筆する新しい概念に基づく新しいウェットプロセスを確立する以前のウェットプロセスは, 指摘されたとおりの貧困なプロセスでありました。高濃度薬液を100℃前後の高い温度で使用していましたから, 薬液の濃度自身が蒸発により時々刻々変化してしまい, 再現性の良いプロセスなどは望むべくもありませんでした。薬液濃度を低く抑え, かつ原則室温で行われるようになったウェットプロセスは, 蒸発やシリコン基板, カセットに付着して持ち出される薬液量の制御が十分に実施できるようになり, 薬液組成と温度を十分に精度よく制御できるようになったため, 極めて精度が高く十分な再現性を有するプロセスに生まれ変わりました。いっさいの汚染やゆらぎを抑え, プロセスの結果に影響を与えるパラメータを完全に制御すれば, プロセスの再現性・精度は完全になるとしたUltraclean Technologyの成果の事例の典型例になりました。
半導体製造は広範な技術分野を包含する典型的な総合技術であり, かつ典型的な量産技術でもあります。超純水供給系, 超高純度薬品供給系, 超高純度ガス供給系, プロセスチャンバ減圧ガス排気・回収・再生系, 電源電力供給系, 高周波・マイクロ波電力供給系, 装置温度制御系, 装置冷却水系, 薬品回収・再生系, シリコン基板搬送系, クリーンドライエア循環系, クリーンエア循環系, 空調除塵系, すべてのシステムの監視モニタ・制御系といったまさに大規模システムからなるクリーンルームシステムと各種装置を一体融合化した生産ラインを止めることなく所定のプロセス条件のもとでいっさいのゆらぎを抑えて稼動させることがScientific Semiconductor Manufacturingです。半導体生産は, 極端に表現すれば, あらゆる汚染やゆらぎをいっさい許さないエントロピーゼロの世界での生産方式を要求しているのであって, まさに最先端科学技術のレベルが問われる分野であります。経済性を十分考慮しながら, 生産性を極限まで高めるには生産ラインを支えるこれらすべての技術を, レベルを完全に揃えて高性能化することが求められます。1つでも貧困な技術が残れば, 生産ライントータルの性能は最も貧困な技術に律束されてしまうからです。
シリコン酸化膜(SiO2)がなぜフッ酸(HF)でエッチングされるのか, 各種の高濃度薬品を高温状態で大量に使用しシリコン基板表面に付着した薬液のリンス用に大量の超純水を消費するRCA洗浄の意味など, まったく理解していなかった筆者が, 多くの方々の御支援を受けながらSiO2のエッチング機構と基板表面洗浄の機構を学問的に解明し, まったく新しくかつ再現性・信頼性・精度が十分なウェットプロセスを創り上げていく過程が本書には記述されています。基板表面洗浄の機構が,
?@ 粒子除去機構:登場する粒子および基板表面を構成するすべての材料が同極性(正または負)のゼータ電位を示し, 同極性ゼータ電位に由来する電気的クーロン反発力がVan der Waals引力よりも大きくなるように付着粒子と基板表面の間に間隙を発生させる能力(基板表面を若干エッチングする能力)を備えた洗浄溶液は付着粒子を除去することが可能
?A 金属除去機構:対象とする金属から電子を奪う能力の強い, すなわち酸化還元電位(ORP:Oxidation Reduction Potential)が正で大きい洗浄溶液(洗浄溶液のフェルミエネルギ準位が十分深い位置に存在する)は, 付着金属原子が基板から電子を奪うよりも速く, 金属原子から電子を奪うから金属原子は正イオンとなって洗浄液に溶解し除去される
?B 有機物除去機構:原理的には金属と同じになるが, 洗浄溶液のORPが正で大きく(溶液のフェルミエネルギ準位が深く)有機物分子から電子を奪って酸化し, CO2, H2Oなどの小さな分子に酸化解離除去する
であります。この汚染除去機構を解明するのにほぼ10年の歳月を費やしました。除去機構が明らかになれば, RCA洗浄に替わる新しい洗浄工程を論理的思考の結果として提唱することは容易でした。高温の各種高濃度薬品と超純水をまさに渇水のごとく大量消費し工程数も全12工程と極めて長いRCA洗浄に替わり, 使用薬品も1%程度以下のフッ酸(HF)と過酸化水素水(H2O2)だけの室温四工程洗浄技術を確立するのに要した研究開発期間はごく短いものでした。室温四工程洗浄とは, ?@pH値が制御されたオゾン水室温洗浄(pH≒4.0, O3濃度≒5 ppm):有機物とほとんどの金属が除去される, ?ApH値が制御された水素添加水メガソニック室温洗浄(H2濃度≒1.3~1.5 ppm, pH≒9.3~10.0:pH値はppmオーダのNH3ガス添加で制御):付着粒子除去, N2, O2などの大気成分が除去され水素だけがガス成分として含まれる超純水では, メガソニック照射を行ってもパターン損傷は起こらない, ?B希フッ酸過酸化水素水室温洗浄(HF濃度≦0.5%, H2O2濃度≦1.0%):すべての金属とケミカル酸化膜除去, ?CH*添加水室温リンス:付着薬液除去, ベアシリコン表面水素終端加速, n+シリコン表面酸化抑止, 粒子再付着防止, ?DH*ラディカル添加高温(200~250℃)N2ガス乾燥(H*濃度≒0.1%):表面乾燥, ベアシリコン表面水素ガス終端強化, です。工程が劇的に簡略化された上に, 薬液および超純水の使用量が数10分の1に低減するとともに薬液の蒸発がないことから半導体工場のクリーンエア排気量すなわち新鮮空気取り込み量を劇的に低減し, 空調負荷の低減にも成功致しました。洗浄効果が向上し, その再現性・信頼性・精度が高まったことはいうまでもありません。
SiO2と反応しエッチングする活性種はHF2-イオンであり, 中性HF分子はSiO2とまったく反応せず, ボロンガラス(B2O3)やリンガラス(P2O5)とは積極的に反応することも突き止められました。結果として, 熱酸化SiO2, TEOS-SiO2, BSG(ボロン入りSiO2), BPSG(ボロン, リン入りSiO2)といった異なる酸化膜を均一にエッチングするには, 中性HF分子がまったく存在せずHF2-イオンだけが存在する溶液を用意すればよく, SiO2はエッチングせずBSGやBPSGだけ選択的にエッチングするにはHF2-イオンがまったく存在せず中性HF分子だけが存在する溶液が必要なことを明らかにしました。各種異なる酸化膜の均一エッチングは, ソース, ドレイン領域に金属電極を形成するための多層酸化膜(熱酸化膜/TEOS-SiO2/BPSGなど)コンタクトホールリアクティブイオンエッチング後のコンタクト底部(ソース, ドレイン表面)洗浄に本質的に要求されます。フッ化アンモニウム(NH4F)40%以上, 0.05~0.1%HF混合溶液は, NH4Fが強電解質であることから大量に発生するF-イオンが中性HF分子のHに結合することからすべての中性HF分子はHF2-イオンに変わり, 中性HF分子は存在せずHF2-イオンだけが存在する溶液になりコンタクトホール側壁にいっさい段差を発生させずにコンタクト底部の薄い酸化膜をクリーニングする洗浄液として使われています。水に比べて比誘電率が約1/4の19.5と小さいイソプロピルアルコール(IPA)に1~2%以下のHFを添加した溶液では, 溶液の比誘電率が小さすぎて, 室温でHFを解離する能力をもちません。結果として, HF2-イオンが存在せず中性HF分子だけの溶液となり, BPSG膜とSiO2膜のエッチングの選択比が350以上とほぼ完全な選択エッチングが実現されています。
室温程度のエネルギでは気相ではまったく解離せず, ましてやイオン化するなど考えられもしないHF, HCl, HBrなどといった分子が水の中では室温で容易にイオンにまで解離します。極性の強い分子からなる水は極めて大きな誘電率を持つため, 分子を構成する原子の電気陰性度が大きく異なっていて分子全体では電気的に中性だが電子が電気陰性度の大きい原子の側に偏り, 分子外部に電気力線が大きく拡がるような分子は水の大きな誘電率の影響を受けて, その結合エネルギが極端に小さくなり, 室温の熱エネルギでもイオンにまで容易に解離するのです。水溶液中では, 気相では考えられないような多彩な活性種を室温近辺で発生させることができ, さまざまな反応を起こせることが可能なのです。あらためて水溶液の化学の凄さに驚かされます。
これまでの水溶液の化学は, 薬品の種類と濃度およびその組み合わせを広範囲に変化させ, 溶液のpH値と酸化還元電位(ORP)を広範囲に振って, さまざまな反応を可能にしてきました。大気成分であるN2, O2が平衡状態にまで溶解した超純水(N2:15 ppm, O2:8 ppm)のORP値は+0.6 Vであり, O2を除去するとORP値は+0.4 Vにまで下がり, この状態の超純水に0.2 ppm程度以上のH2を添加するとそのORP値は実に-0.4 Vにまで下がり, 銅などの多数の金属をまったく酸化・溶解させなくなります。ppmオーダのオゾン(O3)が添加された超純水のORP値は+1.3 Vまで高くなることから, ppmオーダの残留ガスを制御することにより, 驚くなかれ-0.4 Vから+1.3 Vまで超純水の酸化還元電位は可変なわけです。酸化還元電位の制御に高濃度薬品は不要となりました。さらに, ppmオーダのガスが残留する超純水に1 MHz近辺の周波数のメガソニック超音波を照射すると(数ワット/cm2程度のエネルギ), H2O分子の一部がH*とOH*に解離することも明らかになりました。水素添加水であれば, 発生したOH*はH2分子とただちに反応してH2Oに変わりますから, H*添加水となり, 極めて還元性の強い水となります。酸素添加水であればH*はO2分子と反応してただちにH2Oに変わりますからOH*だけが残留する極めて酸化力の強い水になるわけです。残留ガス成分の制御およびメガソニック超音波照射により, 水溶液の化学は一段とその内容を豊富にしています。こうした新たに着想された水溶液の化学の新技術が, 半導体分野で縦横に活用されています。溶液の誘電率を制御することにより, 各種分子の溶液中の解離を制御して, 狙いすました反応を実現する道も拓かれ始めました。
何を達成することが目的なのかを明確にし, 目的を最も効率よく具現化するプロセスを理論的に創出する, まさに科学的半導体ウェットプロセスの時代が始まろうとしています。
本書が多くの読者の研究開発・思考・着想の意欲を刺激し, 新技術を次々と創出され, 我が国半導体産業の強化・振興に貢献されることを熱望してやみません。
大見 忠弘




編集委員長
 大見 忠弘 東北大学
執筆者
 大見 忠弘 東北大学
 森永  均 三菱化学
 板野 充司 ダイキン工業
 小島 泉里 野村マイクロ・サイエンス
 泉  浩人 ステラケミファ
 森田 博志 栗田工業
 藤江 明雄 カイジョー
 菊山 裕久, 宮下 雅之 ステラケミファ
 笠間 泰彦, 関   斎, 福井 洋文 アルプス電気
 小島 泉里, 大見 忠弘 野村マイクロ・サイエンス, 東北大学
 都田 昌之, 久保 和樹 山形大学, 東北大学
 藤江 明雄 カイジョー
 原田 康之 プレテック
 久次米孝信 ステラケミファ
 青木 秀充, 山中 弘次 日本電気, オルガノ
 今岡 孝之, 三森 健一 オルガノ, アルプス電気
 森田 博志 栗田工業
 澤本  勲 コアテクノロジー
 平塚  豊 ダン科学
 武部 勝郎 カイジョー
 平塚  豊 ダン科学
 村岡 祐介 大日本スクリーン製造
 国本 文智 日本ポール
 新田 雄久, 三木 正博 UCT
 川田 和彦, 岡野 勝一 オルガノ, 東北大学
 田中  修 ダイキン工業
 赤沢 真一 東亜ディーケーケー
 原田 康之 プレテック
 宮下 雅之 ステラケミファ
 三木 正博 UCT
 佐藤  伸 栗田工業
 内冨 康成, 当麻 健一, 八木 康之 日立プラント建設サービス, 日立プラント建設
 知福 博行 神鋼パンテツク
 彼谷 政雄, 三田 雅昭 三菱化学

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☆目次
I.序論編
序の章
1.半導体技術の進展
2.半導体表面の電子化学
2.1 水素原子模型と分子結合
2.2 Si表面吸着分子の挙動:SiH4系分子を例として
2.3 電気陰性度とエネルギ準位~終端原子による表面電子状態の変化
2.3.1 Si表面の室温酸化工程
2.3.2 (SiH4+WF6)によるタングステン選択成膜
2.3.3 水溶液中からのSi表面へのCu付着
2.4 酸化還元電位とエネルギ準位 -Si表面の自然酸化膜形成と水溶液による金属汚染洗浄-
2.5 粒子除去
2.6 コンタクトホール底部洗浄(Contact Cleaning)
3.表面電子化学の提唱
【大見 忠弘】

II 汚染除去編
1.金属汚染の吸着・脱離機構
1.従来洗浄法とその問題点
2.金属汚染の吸着機構
2.1 ベアシリコン表面への貴金属付着
2.2 アルカリ溶液中における金属付着
3.ウェットプロセスにおける金属汚染の付着防止
3.1 pHと酸化還元電位の効果
3.2 アニオン濃度(Cl-)の影響
3.3 希フッ酸溶液中における貴金属付着防止技術
3.4 界面活性剤, キレート剤の効果
3.5 アルカリ溶液中における金属付着防止技術
4.金属汚染の除去
4.1 酸, 酸化剤(pH-電位)の効果
4.2 酸化膜中の金属汚染の除去
4.3 さまざまなフッ酸-酸化剤混合液の効果
4.4 貴金属汚染洗浄とシリコン表面荒れ
4.5 金属酸化物粒子の除去
4.6 キレート剤添加APM洗浄による金属汚染/粒子状汚染の同時除去
5.金属汚染洗浄機構と新しい洗浄技術
【森永  均】

2.ウェット洗浄プロセスにおける粒子の吸着・脱離のメカニズム
1.粒子の吸着・脱離機構
2.粒子の吸着メカニズムを考える
2.1 溶液中の粒子-ウェーハ表面間相互作用
2.1.1 電気二重層の構造モデルとゼータ電位
2.1.2 相互作用のポテンシャルエネルギ
2.2 粒子汚染に影響するパラメータ
2.2.1 粒子およびウェーハ表面のゼータ電位
2.2.2 溶液のイオン濃度
2.2.3 溶液のpH
2.3 界面活性剤による粒子汚染抑制
2.3.1 界面活性剤による粒子汚染抑制
2.3.2 界面活性剤による粒子汚染抑制の限界
2.3.3 界面活性剤によるインプロセスウェーハ表面への粒子汚染抑制
3.汚染粒子の除去方法
3.1 ウェーハ表面に吸着する粒子の洗浄メカニズム
3.2 高温アンモニア-過酸化水素水による洗浄
3.2.1 洗浄液のpHと粒子除去率
3.2.2 有機物粒子の酸化
3.2.3 アンモニア-過酸化水素水の混合比とマイクロラフネス
3.3 室温アンモニア-過酸化水素水による洗浄
3.3.1 希フッ酸洗浄
3.3.2 洗浄液のpHと25℃での粒子除去率
【板野 充司】

3.有機物の吸着・脱離機構
1.有機物汚染と汚染制御技術
2.シリコン基板表面の極微量有機物分析と定量技術
3.ゲート酸化膜への影響
4.有機物洗浄技術
5.ラジカル発生と有機物分解
【小島 泉里】

4.原子オーダ平坦表面
1.平坦表面の必要性
2.洗浄方法とマイクロラフネス
3.ラフネス測定方法と標準化
4.Si表面の水素終端
【泉  浩人】

5.フッ素樹脂表面洗浄
1.はじめに
2.溶出Fイオン
2.1 発生メカニズム
2.2 対策
3.パーティクル
3.1 発生メカニズム
3.2 対策
4.金属汚染
4.1 存在形態, 汚染源の推定
4.2 PFAの金属吸着脱離特性
4.3 金属汚染に対するまとめ
5.おわりに
【森田 博志】

6.ウェットプロセスにおける静電気発生の問題点
1.はじめに
2.半導体工業における静電気課題の歴史的経過
3.ESD耐性強化設計と耐性評価シミュレーションの概要
4.発塵と帯電による微粒子吸着課題
4.1 発塵課題
4.2 帯電による気中微粒子吸着課題
5.ウェットプロセスで遭遇する静電気発生課題
5.1 摩擦帯電
5.2 剥離帯電
5.3 摩擦と剥離の複合帯電
5.4 流動帯電
5.5 噴出帯電
5.6 衝突帯電
5.7 誘導帯電
6.半導体フォトリソグラフ工程・ウェット洗浄工程でのウェーハ帯電計測
7.ウェットプロセスでの静電気制御技術と問題点
7.1 各種静電気制御方法
7.2 空気イオン化用イオナイザの原理, 種類とその効果
7.3 極微弱軟X線照射除電技術
7.4 UV/光電子法による除電技術
【藤江 明雄】

III 酸化膜およびシリコンのエッチング機構
1.バッファードフッ酸の組成の最適化と界面活性剤添加による高機能化
1.BHF組成比の最適化
1.1 組成比とエッチングレート
1.2 SiO2エッチング反応機構の解明
1.3 NH4F濃度組成の最適化
1.3.1 エッチング反応生成物の溶解度
1.3.2 コンタクトホールのエッチング
1.3.3 結晶析出温度の低下
2.界面活性剤の添加
2.1 界面活性剤添加BHFの機能評価
2.1.1 シリコン表面およびレジスト表面に対する濡れ性の向上
2.1.2 BHF中のパーティクルの低減
2.1.3 シリコンウェーハ表面へのパーティクル付着の抑制
2.1.4 シリコン表面への無残留性
2.1.5 シリコン表面の平滑処理
2.1.6 微細間隙への浸透性
3.今後の展望
【菊山 裕久, 宮下 雅之】

2.Siの高精度ウェットエッチング技術の開発
1.はじめに
2.Siのエッチング反応のメカニズムについて
3.実験方法
4.結果と考察
4.1 HF:HNO3:CH3COOH系エッチング液によるフォトレジストの劣化
4.1.1 HF:HNO3系エッチング液特性に対する溶媒の影響
4.2 HF:HIO3系エッチング液によるエッチング特性とメカニズム
4.2.1 HF:HIO3系エッチング液による単結晶Si, a-Si:Hのエッチング特性
4.2.2 HF:HIO3系エッチング液の安定性
4.2.3 プラズマCVD-SiNx薄膜に対するSiの選択エッチング
4.2.4 エッチングメカニズムについて
5.まとめと課題
【笠間 泰彦, 関   斎, 福井 洋文】

IV レジスト剥離
1.室温レジスト剥離
1.はじめに
2.実験方法
3.IPA/メガソニックによるレジスト剥離
4.メガソニック照射下でのIPA/HF, IPA/NH4Fのレジスト剥離
5.IPA/KF/メガソニックによるレジスト剥離
6.IPA/KF溶液中のF-の効果
7.HMDSに変わるDVTMDSによるSiO2表面のシリル化
8.イオン注入後の硬化レジストの剥離
9.コンタクトドライエッチング後のCFポリマが堆積したレジスト剥離
10.アルミドライエッチング後のレジスト剥離
11.レジスト剥離後の表面マイクロラフネス
12.SiO2基板上へのK, F残留性
【小島 泉里, 大見 忠弘】

V 超低濃度薬品室温洗浄
1.メガソニック励起超純水の化学
1.超純水のラジカル活性化
1.1 ESRによるラジカルの測定とその定量化
1.2 ラジカルトラップ剤の安定性
1.3 ラジカル発生の機構
2.発生ラジカル種と溶質の種類との関係
2.1 昇温挙動と溶質ガスの関係
2.2 溶解ガスの影響
3.ラジカル発生による化学種の生成
3.1 NH4+, NO2-およびNO3-の生成
3.2 H2O2の生成
3.3 O2およびH2の生成
4.メガソニック励起超純水の性質変化
4.1 比抵抗の変化
4.2 pHおよび酸化還元電位の変化
5.ラジカル活性水の洗浄効果
【都田 昌之, 久保 和樹】

2.メガソニック洗浄への応用
2.1 メガソニックの洗浄への応用
1.はじめに
2.汎用超音波洗浄からMegasonic洗浄への過程
3.超音波気泡(Cavitation)現象の概要
4.Megasonic洗浄の必要性
5.Megasonic発生機器の構成
6.新たなMHz帯洗浄機器
7.メガソニック監視機器と評価
8.Megasonic洗浄評価
9.おわりに
【藤江 明雄】

2.2 高周波洗浄のウェーハへの応用
1.はじめに
2.超音波洗浄の原理と設計
3.メガビット時代に要求される洗浄機
4.高周波洗浄の特徴と原理
5.高周波(1.6 MHz)ウェーハへの応用
6.おわりに
【原田 康之】

2.3 メガソニックによる有機物分解
1.メガソニックの薬液への影響
2.脱気の効果
3.メガソニック洗浄への金属容器の応用
【久次米孝信】

3.電解イオン水とその洗浄への応用
1.電解イオン水と表面洗浄
2.電解イオン水製造技術と化学的特性
2.1 クリーン電解イオン水製造装置
2.2 超純水および希薄電解質水溶液の効率的な電解
2.3 電解イオン水の化学的特性
2.4 電解イオン水の寿命
3.電解イオン水の洗浄プロセスへの応用
3.1 金属不純物の除去-シリコンウェーハ表面のCu除去
3.2 微粒子の除去
4.地球環境との調和
4.1 洗浄プロセスへの電解イオン水使用による環境への負荷軽減
4.2 新しい半導体工場水処理システムの姿
【青木 秀充, 山中 弘次】

4.電解イオン水へのメガソニック照射とその効果
1.ラジカルの生成と水質物性への影響
1.1 メガソニックの触媒効果
1.2 メガソニック照射時のラジカル発生
2.洗浄効果への影響-TFT-LCD基板表面のパーティクル除去
【今岡 孝之, 三森 健一】

5.室温省資源洗浄技術
1.はじめに
2.全5工程室温洗浄プロセス
2.1 原型
2.2 改良型全5工程洗浄
3.全4工程室温洗浄プロセス
3.1 水素水を用いた洗浄
3.2 水素水を適用した室温洗浄プロセス
4.その他の室温省資源洗浄
4.1 SCROD洗浄
4.2 その他
5.おわりに
【森田 博志】

6.オゾン発生と超純水への添加
1.オゾンの発生機構と発生装置
1.1 オゾンの発生方法
1.2 各種オゾンの発生装置
2.オゾン水発生装置
2.1 オゾン水の生成方法
2.2 オゾン添加超純水の生成
3.オゾン濃度測定方法
4.各種材料の耐久性
5.オゾンの有毒性への対応
5.1 オゾンガス/水の取り扱い処理方法
5.2 オゾン毒性について
【澤本  勲】

7.パラレルダウンフロー超純水リンス
1.リンスに求められる条件
2.従来のリンス方式と問題点
2.1 シャワーリンス
2.2 オーバーフローリンス
2.3 クイックダンプリンス
3.パラレルダウンフローリンスのコンセプト
4.パラレルダウンフロー槽のリンス効果
5.パラレルダウンフローリンスへのメガソニック照射の効果
【平塚  豊】

8.乾燥装置
8.1 スピン乾燥
1.はじめに
2.公転式スピン乾燥
3.バランサー付公転式スピンドライヤー
4.自転式スピン乾燥(バッチ処理)
5.枚葉スピン乾燥
6.温純水引き上げ乾燥
【武部 勝郎】

8.2 IPA蒸気乾燥
【平塚  豊】

8.3 その他の乾燥方法
1.直接置換式IPA乾燥
2.不燃性溶剤蒸気による乾燥
3.マランゴニ乾燥
【平塚  豊】

9.新しいウェットステーション
9.1 バッチ式処理
1.ウェットステーションのあるべき姿
2.ウェットステーションの歴史
3.現在のウェットステーション
4.ウェットステーションの今後の展開
5.新しいウェットステーション
【村岡 祐介】

9.2 枚葉処理
1.はじめに
2.枚葉スプレー式洗浄装置
2.1 コンセプト
2.2 回転基盤上の液の流れの解析
2.3 洗浄効果
3.今後の展開
【国本 文智】

9.3 新しいウェットステーション
1.半導体製造プロセス革新のために要求される新しい洗浄技術
1.1 サブクォーターミクロンULSI量産のための製造技術の課題
1.2 新しいウェットステーションの必要性
2.新しいウェットステーションの構想
2.1 洗浄プロセスと他のプロセス処理との連結
2.2 新しいウェットステーションの基本コンセプト
3.新しいウェットステーションのための新しい材料
3.1 フッ化不動態表面処理された金属材料
3.1.1 フッ化不動態処理アルミニウム合金
3.1.2 フッ化不動態処理ニッケル膜
3.1.3 フッ化不動態処理膜の特性
3.2 フッ素樹脂コーティング-フッ化不動態膜-金属材料
3.3 フッ素樹脂材料
3.3.1 フッ素樹脂の特徴
3.3.2 フッ素樹脂の問題点
3.3.3 フッ素樹脂の将来
4.新しいウェットステーションの開発と今後の課題
【新田 雄久, 三木 正博】

9.4 残留溶存ガス成分の効果
1.水中の溶存気体除去と溶存酸素除去
2.脱気装置について
3.脱気水を用いた超精密洗浄技術
4.脱気超純水とメガソニック
5.なぜ高周波か?
6.メガソニック洗浄における気泡現象
7.脱気超純水とメガソニックが界面活性剤に及ぼす効果
8.界面活性剤の分解防止
【川田 和彦, 岡野 勝一】

9.5 超高性能フッ素樹脂エアフィルタ
1.はじめに
2.PTFEろ材とガラスろ材の違い
2.1 PTFEろ材の構造
2.2 捕集性能および圧力損失
2.3 ろ材からの不純物の発生
3.PTFE ULPAの性能と特徴
3.1 PTFE ULPAの性能
3.2 耐フッ酸性
3.3 ULPAからのガス状不純物の発生
3.4 送風動力費の低減
4.今後の課題
【田中  修】

VI 評価・分析・計測編
1.評価用分析計
1.概要
2.オンライン分析計
2.1 比抵抗/抵抗率
2.2 溶存酸素
2.3 溶存オゾン
2.4 過酸化水素
2.5 シリカ
2.6 微粒子
2.7 TOC
2.8 pH/ORP
2.8.1 pH
2.8.2 ORP
2.9 フッ酸
2.10 溶存水素
2.11 溶存窒素
3.オフライン分析計
3.1 溶存酸素
3.2 微粒子
3.3 生菌
3.4 シリカ
3.5 重金属イオン類
3.6 陰イオン類
4.薬液濃度計
4.1 近赤外分光光度計
【赤沢 真一】

2.電磁波分析計(ファインアナライザ)
1.概要
2.測定原理
3.測定限界
【原田 康之】

VII 薬液組成管理
1.ウェットプロセス制御のための薬液組成管理方法
1.緒言
2.薬液管理の現状と問題点
3.組成変化に及ぼす因子
4.BHFの組成変化と濃度管理
5.HF-H2O2溶液の濃度管理
6.今後の課題
【宮下 雅之】

VIII 薬品の回収・再生
1.使用済みフッ素系薬品の回収・再生の技術はどこまで進んでいるか
1.技術の背景について
1.1 使用済み薬品処理の課題はなにか
1.2 フッ素資源の状況はどうなっているか
1.3 新しいフッ素回収技術の概要
2.フッ化カルシウム回収の物理化学
2.1 HFとCaCO3の反応の特徴
2.1.1 CaCO3結晶からCaF2結晶への直接構造転換
2.1.2 直接構造転換反応に認められる新しい諸現象
2.2 バッファードフッ酸とCaCO3粒の反応
2.2.1 NH4F含有液とCaCO3粒の反応の研究
2.2.2 CaF2転換を制約するアンモニウム塩の生成
2.2.3 減圧脱アンモニアの効果
2.3 カラム反応方式の効果
3.フッ素回収のシステムをどう構築するか
3.1 フッ素回収のトータルシステム
3.2 多段カラムリアクタ
3.3 アンモニアストリッパ
4.フッ素回収システムのパイロット運転
4.1 カラム運転
4.2 アンモニアストリップ
4.3 微粒CaF2の分離
5.回収結果
5.1 回収CaF2の品質と処理水の水質
5.2 物量縮減の効果
6.まとめ
【三木 正博】

2.フッ酸回収装置
1.フッ素回収装置の実排水への適用
2.既存排水への適用事例
3.実排水適用における装置構成および装置性能
4.生成フッ化カルシウムの形状
5.生成フッ化カルシウムの純度
【佐藤  伸】

3.有機物の生物処理技術(1)TMAH含有廃液
1.はじめに
2.TMAHの生物処理特性
3.TMAH含有廃水の処理方法
3.1 希薄TOC含有廃水の回収再利用
3.1.1 活性炭吸着によるTOC除去
3.1.2 生物活性炭の適用
3.1.3 RO(逆浸透膜)と紫外線酸化の併用
3.2 濃厚TOC含有廃水の処理
3.2.1 従来の生物処理設備の問題点
3.2.2  膜モジュールを用いた生物処理設備
3.2.3 回転平膜適用生物処理設備の実証試験
4.おわりに
【内冨 康成】

4.有機物の生物処理技術(2)DMSO含有廃液
1.はじめに
2.DMSOの特徴について
3.DMSOの処理方法の比較
3.1 UV酸化法
3.2 逆浸透膜による分離
3.3 生物処理法
3.4 処理に必要なエネルギの比較
4.実施例
【知福 博行】

5.IPAの再生, 再利用
1.はじめに
1.1 IPAの長所と短所
1.2 再生, 再利用に求められる経済的条件
2.IPAの再利用状況
2.1 燃料用
2.2 一般工業用途
2.3 電子工業用途
3.原料である廃棄IPAの種類と品質
3.1 乾燥用途の廃棄IPA
3.2 フォトレジスト剥離液置換用途の廃棄IPA
4.再生IPAの品質・分析・監視方法
4.1 再生IPAの品質
4.2 分析方法
4.3 監視方法
5.IPAの再生技術の各論
5.1 脱水技術
5.2 精密蒸発缶による金属イオン除去技術
5.3 粒子除去技術
5.4 高沸点物除去技術
5.5 安全対策
5.5.1 IPA保有量の極小化
5.5.2 酸素の遮断
5.5.3 火源の隔離
5.5.4 危機管理
5.6 構成材料
6.再生・再利用に関する将来展望
6.1 使用点での不純物品質制御へ
6.2 乾燥用途のIPA
6.3 フォトレジスト剥離液含有IPA
【三田 雅昭】

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