出版社内容情報
小室 直樹[コムロ ナオキ]
著・文・その他
目次
第1章 戦後デモクラシーの認識
第2章 日本型行動原理の系譜
第3章 歴史と日本人思考―ジャーナリズム批判
第4章 「経済」と「経済学」
第5章 危機の構造
第6章 ツケを回す思想
第7章 社会科学の解体
付録 第8章 私の新戦争論―合理的、論理的側面
著者等紹介
小室直樹[コムロナオキ]
1932年東京都生まれ。京都大学理学部数学科卒。大阪大学大学院経済学研究科中退、東京大学大学院法学政治学研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。1972年に東京大学から法学博士号を授与される。2010年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
14
小室直樹氏については橋爪大三郎さんのお師匠と言う事、そして父の蔵書で数冊読んでいたので話題のこの本を読んた。他の評者も書かれているが、日本のムラ社会、あるいは阿部謹也先生の言う「世間」と言う共同体意識が官公庁、企業と言う機能集団を侵食したゆえに今の日本の「衰退」に至ったのである、と言う事が良く理解できる。40年前以上にすでに予言していたのは流石。そしてこの危機を克服するために社会科学の理解が必要との小室先生の提言。実現は中々難しいが、私もこれから社会科学系の本を読み続けて、小室先生のご遺志に応えたい。2022/11/03
まゆまゆ
8
日本人の思考、行動様式も集団構成の原理も戦前から全く変わっていないことを指摘し、社会組織が現代にマッチングしていないことに伴う矛盾によって危機の芽が存在していることを述べていく内容。日本人固有の健忘症とツケを回す思想が未だに続いているのは、日本人が社会科学を理解せず情緒的な思考を繰り返しているからである、と。そら失われた30年という現象が発生しても不思議ではないなぁ…2023/11/27
ゆうきなかもと
7
戦前と戦後に共通する日本人の負の特徴を記述しているのが本書。その日本人の負の特徴、すなわち、致命的な集団的な欠点が、我々にあり、それはもう100年間くらい変わってないんじゃないかとすら思わせるものがあることを本書は教えてくれる。良心、良識をお持ちの日本人は本書を、何度も何度も何度も、熟読し未読すべきだと思った。 今の日本がこんなことになっているのは、安倍のせいでも、菅のせいでも、岸田のせいでもない、日本社会の社会的構造のせいだったのではないか!?多くの人が読むべき名著である。2023/07/03
九曜紋
7
日本は不思議な国だ。明治維新後の日清・日露戦勝後の列強入りからの、第二次大戦での大敗北。戦後の奇跡的ともいえる経済大国化からの、失われた30年の経済停滞(但し本書の初版は1976年)。アップダウンを繰り返しまるで歴史に学ばないかのようだ。なぜなのか。その回答が本書にはある。軍部、企業等機能集団としてあるべきものが共同体と化し、集団アノミーに陥る。そしてそれを阻止し解決するはずの社会科学の無力化。もちろん、日本社会の弊害と宿痾を説明するのはこの小室理論だけではあるまい。しかし有力なひとつの手掛かりとはなる。2023/04/18
どん
4
増補版が出版されてから40年。その間の日本の状況、最近の出来事を見て、その通りと感じる。 日本は戦前、戦後で何も変わっていない。日本の精神構造は変わらない。2024/02/03
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