内容説明
天正十年六月政変 織田政権の成立と崩壊。いわゆる「本能寺の変」で知られる明智光秀の謎は何を意味するのか。本書ではその実像と政変の動機に迫ることで、日本史研究における中世と近世の間に生まれた空白の真実を解き明かす。
目次
序章 三鬼清一郎の学説と「室町幕府奉公衆」(「明智光秀の乱」から「天正十年六月政変」へ;顧みられなかった第一人者の学説;明智光秀と「室町幕府奉公衆」)
第1章 室町幕府と「織田・明智体制」(天下人織田信長と室町幕府;明智光秀の地位について;「織田・明智体制」の成立;足利義昭の出奔と織田政権)
第2章 明智光秀とは誰なのか(明智光秀の出現と信長;明智光秀になった人物;明智光慶と光秀の妹ツマキについて)
第3章 信長の政権構想と「織田・明智体制」の崩壊(将軍権力襲撃事件(将軍御所・本国寺・本能寺)
織田信長の歴史的使命
「織田・徳川同盟」と明智光秀
「山崎の戦い」と室町幕府の滅亡
信長と光秀の十七年間)
著者等紹介
小林正信[コバヤシマサノブ]
1962年愛知県春日井市生。2001年織豊期研究会参加。三鬼清一郎名古屋大学名誉教授に師事。2011年博士(比較社会文化)九州大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴのり
2
私の中で「パーフェクトな光秀本」という位置づけにある書籍です。それは、今まで何冊読んでもしっくりこなかった「本能寺の変」に対する1番納得のいく回答を示してくれたからということによるものなので、同じように感じている人にお勧めしたい。著者である小林先生は光秀を「中世最後の人」と定義されているのですが、どうして光秀が中世最後の人なのかを、光秀と信長の関係、信長と家康の関係、そして信長と出会う前の光秀はいったい誰なのかということから導き出されています。専門的な歴史科学を分かり易く伝えてくれる良書ではないでしょうか
niwanoagata
1
論理の飛躍が激しい。 卓見の理論もあるが、結局は明確な根拠を持ってではない。むりやりねじ込んだようなところも少なくない。 あと、ページ数が多いのに、まとまった構成をしておらず読みにくい。 オススメはできない。
Sumioh Watanabe
1
「明智光秀」は、日本歴史上の謎のひとつである。彼は誰だったのか?今まで誰にもわからなかった。それにある程度、納得の行く 答えを出したという点で、この書は特筆されるべきだろう。少なくともこれをネタにフィクションのひとつふたつ、モノにできるだろうししなければ怠慢と言わざるをえない。 その内容については将来、これを元ネタにしたフィクションを読む読者のためにこそ、ここでは伏せておく。2018/01/06
けんちゃん
1
普通は本能寺の変ですが それを、乱としたところに、この本の値打ちがある。なぜ、みつひでは、信長に背いたのか、読んで、納得した。2014/11/29
いつも温泉気分
1
結構面白かった。歴史好きの人なら読んで損はないと思う。2014/10/21
-
- 電子書籍
- 三千世界の鴉を殺し(12) ウィングス…