内容説明
医師と作家と僧侶が本音で語り合う異色の鼎談集。いかに人間らしく生き、やすらぎを得られるか。その智慧と実践について、『般若心経』が語りかけているものは―。
目次
第1章 長寿時代の生老病死(「生」とは、生まれることか、生きることか;老と病を医学的にみると;時代とともに変わる四苦八苦 ほか)
第2章 『般若心経』の真意(「空」の実践を解く;縁起と無常;因縁と膨張 ほか)
第3章 「空」の生き方(「到彼岸」と「完成」;「波羅蜜」とは;医者と布施 ほか)
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒。様々な職業を経験した後、京都・天龍寺専門道場に入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。『水の舳先』が芥川賞候補となり、2001年『中陰の花』で第125回芥川賞受賞
太田保世[オオタヤスヨ]
1936年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。東海大学医学部教授、同大付属病院副院長兼務を経て、郡山市・(財)太田綜合病院理事長。(社)福島県病院協会会長。東海大学名誉教授。日本ペンクラブ会員
荒了寛[アラリョウカン]
1928年福島県生まれ。大正大学大学院で天台学専攻。現在、天台宗米国ハワイ開教総長としてハワイ在住。ハワイ及びアメリカで布教活動に従事。ハワイ美術院、ハワイ学院日本語学校などを設立。独自の画法による仏画を描き、米国、日本各地で毎年個展を開く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめぴょん
4
三人の方の鼎談を文章化した本。宗教家と医者という組み合わせ。一億総クレーマー時代で病気が治らないと不平を言う患者。生きていく上で、なにかコアになるものを持つ。わからないんだけれども有意差のある事実は存在する。修道女は長命で痴呆率(今はこういう言い方はしないと思いますが)が低い。彼女たちに共通しているのは、コミュニティ力と祈りの力。和尚は職業別で最も長寿。自然というものをコントロールしたい人が大勢いて、そこにいろいろな苦が生まれる。不可思議とか非合理を生きるのが人生。わからないままに生きる。医療は契約行為だ2022/01/14