出版社内容情報
仏教美術千三百年の精華・薬師寺。今日までの諸研究を網羅、集大成する。今後の薬師寺研究の指針ともなる決定版。
内容説明
薬師寺総研究の集大成。今日までの諸研究を網羅し、今後の薬師寺研究の資料となる決定版。
目次
総論 薬師寺の創立と移転
第1章 東塔
第2章 金堂薬師三尊像
第3章 東院堂聖観音像
第4章 講堂薬師三尊像
第5章 八幡三神像
第6章 吉祥天画像
第7章 慈恩大師画像
第8章 仏足石
概説 法相宗と薬師寺
感想・レビュー
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chang_ume
9
2000年刊。薬師寺の研究史整理。明治期以来、本薬師寺と薬師寺の間で建築・仏像の移築・非移築論争が続いたが、仏像に関しては様式分析によって非移築説(平城京新鋳説)が優勢。この点でいわゆる「初唐」「盛唐」の時代区分を唐詩史にまで遡って整理した林論文が参考になった。また東塔の移築有無は近年(2016年)に判明した年輪年代によって非移築説が確定的だが、東塔水煙について仏像光背と同じく光明=聖性表現と理解する大西論文は塔水煙他例にも適用できるだろう。近日刊行予定の新装増補改訂版が楽しみだ。2022/07/01