内容説明
1966年移民船“さくら丸”でサンフランシスコに渡った20歳の麻矢は、アシュビイ家でパートタイムのメイドをしながら大学に通う。クリスマス休暇、アシュビイ家の一人息子、若き海軍将校グレゴリーがヴェトナムから帰還する。霧にかすむ漁夫の波止場で、グレゴリー麻矢に愛を告白する夜、麻矢も彼への愛が知らぬ間に自分の中に芽ばえていたことを知る。しかし愛とは、それ以上ふくらむことができないほどの充溢を見せる時、後はただ崩壊するより他にないのだろうか。運命が2人に用意していたのは、哀しい別れだった。そして13年後、パリで再会する2人を待っていたものは…?
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- 和書
- 第三の時効 集英社文庫