著者等紹介
手島圭三郎[テジマケイザブロウ]
1935年、北海道に生まれる。北海道学芸大学札幌校卒業。教員生活を経て、版画家として独立。日本版画協会会員。1982年『しまふくろうのみずいみ』でデビュー、同作品で絵本日本賞を受賞。その後、精力的に創作活動を続け『きたきつねのゆめ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『カムイチカプ』で厚生省児童福祉文化奨励賞受賞。また『きたきつねのゆめ』『おおはくちょうのそら』は、1987年、1988年ニューヨークタイムズ紙選世界の絵本ベストテンに選出される。北海道在住
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
28
夢。願望、観念、心情・・・。幻想的な森。そこに心の底を引き出す。「家族愛」が脳裏に浮かぶ。段階を経て、根底(深層心理)に辿り着く所が学術的。心を開くこと、そして夢を持つ大切さを感じさせる。絵は版画調で、静けさと重厚感一杯。特に、始めの2ページを森の描写に使うことで、読者を物語に引きこむ。幻想から出会いのシーンが特に印象的。芸術的・・・。2013/04/06
リッツ
26
朝、日曜美術館で観て強く心ひかれた作者の作品。くっきりとした黒い線に透明感のある色彩いが広がり、特に青が印象的だった。物語は厳しい自然のなかで生きるキツネが出会った不思議。強い懐かしさを感じるのは命の記憶に触れるからなのだろうか?キツネと共にやさしい大切なものが胸に戻ってきた。2021/10/31
ツキノ
25
2001年1月発行。1985年の復刊。1987年ニューヨークタイムズ紙選「世界の絵本ベストテン」に選出。おなかをすかせたきたきつねが見た不思議な情景と思い出。夜の月明かりが照らす「青」が美しい。(E95-549)2021/04/04
ペイトン
18
キタキツネが見た不思議な森のシーンが美しい。力強い版画で描かれています。2016/04/22
わっぱっぱ
12
きたきつねも夢をみるのかと、思わず涙。 美しく、躍動感あふれる版画絵の素晴らしさもさることながら、たった一晩の出来事で四季の移ろいや命の営みを表現するという、物語の構成に唸らされた。2016/07/26