出版社内容情報
絵本 小学校から
北海道生まれ、在住の世界的に著名な作者が、木版画で描く「極寒に生きる生きものたち」シリーズ第1作。厳しい北海道の大自然と、そのなかで生きるたんちょうづるの夫婦愛を通して、生きることとは何か、命とは何かということを、肌で感じられる良質な絵本です。
日本図書館協会選定図書、全国学校図書館協議会選定図書
内容説明
クルルオークルルオー。つるの鳴き声がひびく北海道の湿原。自然のきびしさ、美しさを力強い版画で表現。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つくよみ
62
図書館本:釧路の湿原に暮らす、丹頂鶴たち。その番の生活を、味のある版画で描き出した作品。丹頂鶴の番は、結婚してから何時も一緒。そんな番に子どもが生まれ、巣立ち、どこかで新しい番になり、群れが維持されていく。そんなある年、お父さん鶴が病に倒れ・・・その死骸が無くなり、羽だけになっても、それに寄り添って夜を過ごす、お母さん鶴の愛情が深い。やがてその羽も風に散らされ、雪に隠されたある日、ようやく意を決して仲間の元に還り、新たな営みを始める。鮮やかな青い空に飛び立つ、真っ白な丹頂鶴のコントラストが美しい作品。2014/02/23
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
38
手島さん2冊目。夫のタンチョウヅルがが病に倒れて死んだ後も、羽がなくなるまでずっと寄り添い続ける妻の姿にホロリとしました。タンチョウヅルの愛情深さが素晴らしい。今回も版画が素敵でした。2018/02/24
Lesen
11
番の鶴が病気で倒れた後の残された方の愛情の深さが痛切です。納得するまで寄り添う姿は響いてきます。版画が美しく迫力があり、飛び立って行く姿はより一層感動的です。2015/01/01
いろ
11
タンチョウヅルが結婚するものの,数年後,連れを亡くして…というお話。まだ生きていても動けなくなると餌食にされる場面は辛く,連れの死後も長い間残された羽のそばに居続ける様子は切ない。素晴らしい版画にいっそう胸が熱くなる。大人的には感銘を受けるお話だった。水に映る姿の揺らめきが版画でこんなに上手く描かれている事に感心してしまう。楽しいや面白いが好きな6歳男児は,お話がしっとり進行するので,再読1回くらいで読了となる。2014/04/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
3
5年生冬休みおすすめ絵本のブックトーク。国語科の教科書で紹介されている『おおはくちょうのそら』から、手島圭三郎さんの作品を紹介。2023/12/21