内容説明
「私の母の話」は、140名を越える筆者が一様に母を慕い、そして母に感謝を捧げることばを献じています。戦後、夜なべをし、或いは行商をし、大切な着物を売って子どもたちを育てた母親。子どもの才能を見出して教育をしてくれた母。この本の話は、母親の愛が共通項としてあるものの、一篇一篇の話はどれ一つとして同じものがなく、時代、家柄、意識により異り、女性史としての面をもつと同時に、個人史としての核が読み取れます。祖父母、父母、子、孫…と、自分を鎖の一輪と位置づけ、女性が生命をつなぐ役割をになっている自負と責任感が強く行間にあふれています。
目次
第1部 愛(母の寝息(ささきひろし)
たずね歌(高丸もと子) ほか)
第2部 時代(東京へ帰りたい(白根厚子)
お婆さんになること(黒沢知子) ほか)
第3部 母の教え(わからなかった母の病気(篠塚喜一郎)
ひらがなの成り立ちを教えてくれた母(石井純子) ほか)
第4部 母も女性(母に想う(宮嵜瑞枝)
おかあさんになって、わかったこと(林佐知子) ほか)
第5部 感謝(月日に先のばしせずに(清水智子)
私の母(清澤綾子) ほか)
著者等紹介
鈴木喜代春[スズキキヨハル]
1925年、青森県に生まれる。青森師範学校卒業。千葉県の小・中学校に38年間勤務。現在は創作に専念する。日本児童文学者協会会員。元、日本子どもの本研究会会長。主な著書に『津軽の山歌物語』(日本児童文芸家協会賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。