内容説明
青森県の津軽半島にある「十三湖」が舞台です。腰切り田といわれる深い泥田に生きるばばは、男5人、女6人の計11人の子をもうけるものの、赤児がみぞに沈んで、長女が腰切り田で、次男が水車で、夫も不慮の事故で、そうして長男も戦争で次々と死んでいきます。ばばが直面した死を、感傷を取り去って克明に描くことで、大正・昭和の北国の過酷さが映し出されます。1925年青森県生まれの著者は、体験と取材により、ばばの津軽方言で真実を語ります。
著者等紹介
鈴木喜代春[スズキキヨハル]
1925年、青森県に生まれる。青森師範学校卒業。千葉県の小・中学校に38年間勤務。在職中から、子どもの作文・読書の指導をよくし、人の心の奥底にひそむ善意をひき出す教育を実践。その姿勢が創作に投影、人の心と行動を緻密に描き出す作品を生み出す
山口晴温[ヤマグチセイオン]
1926年、青森市に生まれる。日本版画院同人。戦後、雑誌「むつの子」の編集に参加以来、児童文化活動を続け、木版画を主に童画、挿絵制作。2008年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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