内容説明
脳梗塞、糖尿病、慢性腎不全、代謝性アシドーシス、左目の失明…激動の半生を送る著者が語る病気との付き合い方。
目次
第1章 ごまかすな!
第2章 病院への不信感
第3章 躍進と急停止
第4章 脳梗塞
第5章 片目のダースの叔父貴
第6章 病院という人間交差点
第7章 ド派素な病人
第8章 5years―死神は人生の友達
第9章 HIPHOPの逆転の哲学―すべては流れ、言葉は箱
第10章 ビートたけしの挑戦状
第11章 ラッパーの葬式
第12章 集中治療室
第13章 満期5年―5年後の自分に会いに行く
第14章 ILL‐COMMUNICATION―病気を哲学する
著者等紹介
ダースレイダー[ダースレイダー]
1977年、フランス・パリ生まれ。ロンドン育ち、東京大学中退。ミュージシャン、ラッパー。吉田正樹事務所所属。2010年に脳梗塞で倒れ、合併症で左目を失明。以後は眼帯がトレードマークに。バンド、ベーソンズのボーカル。オリジナル眼帯ブランドO.G.Kを手がけ、自身のYouTubeチャンネルから宮台真司、神保哲生、プチ鹿島、町山智浩らを迎えたトーク番組を配信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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どら猫さとっち
6
僕が著者を知ったのは、プチ鹿島さんと一緒に出演&監督を手がけた「劇場版 センキョナンデス」と、YouTube番組「ヒルカラナンデス」だった。プロフィールには、ミュージシャンでラッパー、脳梗塞でその合併症で左目を失明とあるが、本書を読むとこれほど壮絶な闘病生活をしていたのかと驚き、そこから知恵と経験を身につけるという姿に、勇気づけられた。本書を読んだことは、とても貴重な体験だった。2023/12/31
aruku_gojira
3
ラッパーのダースレイダーさんが、youtubeの配信ラジオ番組「はぁ〜」や「一人語り」で時々語る病気のことを、広く深く、著したのが本書といった具合。番組で出るトピックの前後の話、ダースさんの生まれから、最近の「満期5年」まで、澱みなく話が展開して行く。構成が素晴らしいです。 普段のトークイベントを見ていると感じないけれども、結構大きな病気を経験していて、完治はしていなくて、『河童の三平』の死神みたいな死神を連れ立って、今をド派手に生きているという。病気と社会的地位についての考察も読み応え十分。2024/04/21
イシュア
3
病は避けたいもの,病人はかわいそうな人,病院は一時的に滞在するだけの場所,そのようなステレオタイプや負のイメージをヒップホップの力で反転させる.病気(ILL)をひっくり返してしぶとく生きる.片目を失った,しかし,見えてなかったことに気づく.だが,大変な時に最も重要なことは筆者がヒップホップ通して築いた人と人とのネットワークである.2023/12/30
越部社長
2
前著で、ヒップホップの思想と歴史を基点に日本社会を分析・批評したダース・レイダーだが、本書では自身や身近な人たちの病気の経験から人生を振り返り、病と共にある人生について軽妙にユーモラスに語っている。博覧強記で、時には哲学者、時には科学者のように思想を発散させるが、彼の本質は、敢えてオムツで放尿し、敢え無くダムを決壊させ病院のシーツに大洪水を引き起こすような、馬鹿馬鹿しいまでの好奇心と常識に囚われないタフな精神力に支えられた実践者であることだと思う。無事に余命5年も越え、引き続き力強く行動し続けて欲しい。2024/05/02
towerofthesun
1
病人は決して元には戻らない、それどころか人は、生は、万物は流転して移り変わっていく。…筆者が度重なる病気や出会いの末に到達した哲学に共感。また、第9章HIP HOPの逆転の哲学も興味深かった。ブレイクビーツという視点が生まれたことで世界にばら撒かれた鍵、レコードのA面B面になぞらえる社会、すべてはFlow。再生せよ!2024/10/02
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