感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
55
精神疾患の患者を家族に持ち、自身も患者を経験した児童精神科医が、精神科医療の「7つの不思議」を懇切に解説していく。①「病名」を言われずに、何10年と通院している患者さんがいる。②何10年も薬を飲んでいるのに、ゴールが見えない。③精神疾患の原因や薬を見つけるための研究が進んでいない。④医師から「統合失調症はありふれた病気」と言われる。⑤「病気」を自覚できない人もいるのに、病院へ行かないと治療されない。⑥思春期の患者さんの入院に適した病院がほとんどない。⑦成人した患者さんに対して、なぜ家族会が必要なのか。⇒2023/03/02
Asakura Arata
5
学会でときどきご講演を拝聴する先生の最新刊。自分も今年ちょうど臨床歴30年なので、親しみをもって読めた。患者さんと同じ高さで臨床をするということを心がけてやっているので、共感するところは多かった。精神科臨床では、関わっている人の間で「症例検討会」が、いろんな場面で行われるのだが、そこになぜ本人が参加しないのかがずっと疑問であったが、間違った疑問ではないということが確信できた。思春期病棟に関しては、20年以上前に携わっていたが、当時は病床が埋まらなかったなあ。2021/06/13
けろっぷ
2
精神疾患の当事者であり、家族であり、医師でもある夏苅先生。前作も良かったですが、今回は医師の立場から精神科医療がより患者さんやご家族に寄り添うためには何が必要か、みんなが生きやすい社会を作るために何ができるか、具体的に書かれていて参考になりました。こんなお医者さんが増えてほしい!親の病気について、子どもにちゃんと説明することは、精神科に限らず大切なことだと感じました。精神科に興味のある人にも、ない人にも読んでほしいです。2021/10/25
Go Extreme
2
精神科医療の七つの不思議 病気の原因を未だに見つけていない 医師によって違っていた診断基準 DSMは過渡期 病気の原因:遺伝と環境と運 何十年も薬・ゴールが見えない 薬は偶然な出会いから生まれた 精神科の薬物療法・経験則 人間のこころとお金 研究の沙汰も金次第 統合失調症はありふれた病気 精神疾患への偏見 なぜ病気の人が放っておかれるのか 医者も困っているのです 家族による自衛対策 思春期医療の役割 家族会の現状 精神科医療の未来に向けて 病気を治せない精神科医療ができること 精神科医療の未来に向けて2021/07/08
げんさん
0
「傍で寄り添い、静かに話を聞いて、落ち着くまで待つ」などと悠長なことは、交代してくれる人がいるから言えることです。3日間、ほとんど眠らせてもらえなかったとしたら、それでも対話をし続けることができる支援者はどれだけいるでしょうか?2022/01/09
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