内容説明
作者が仮想したぼくの物語。悪がきだった少年時代をふりかえり、あのファン・ゴッホをからかい・いじめたひどいおこないを、年老いたぼくが告白する。
著者等紹介
ピーコック,シェーン[ピーコック,シェーン] [Peacock,Shane]
作家、ジャーナリスト、脚本家。彼の作品はおびただしいアワードの受賞歴を数える。なかでは、The National Magazine Award、2回受賞の犯罪小説対象のArthur Ellis Awardなどがある。そのほかGovernor General’s AwardやTDカナダ児童文学賞の受賞者候補リストの常連となっている。現在は、カナダ・オンタリオ州のコーバーグに家族とともに暮らしている
カーソン,ソフィ[カーソン,ソフィ] [Casson,Sophie]
イラストレーター。カナダ・オンタリオ州モントリオールをベースに活躍する。グラフィティやステンシル・アートから戦後ポスター、さらに日本風の木版画までてがける多彩な守備範囲を持つ。児童書の作絵や挿絵でも活躍し、Governor General’s Award、the Mr.Christie’s Book Awardにノミネートされている
おびただす[オビタダス]
飫肥糺。1945年、中国大連に生まれる。早稲田大学卒業。記者活動ののち、歴史・文学・児童書の企画編集に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
56
南フランスの うつくしい いなか町で、ぼくは ひどく みにくい おこないを つづけていました… ■映画等でも描かれる様に、ゴッホは酷い虐めを受けていたのですね。実際に「ゴッホを虐めていた」と告白した元少年も居るそうです。感受性が強く純粋な人が、周囲との違いから虐められ追い詰められて、益々エキセントリックになり居場所が無くなることは、現代の私達の社会でもよくあります。■大人がバカにするのを見て子供もまねをする。いじめや差別がどうやって生まれるのかを子供達にも分かりやすく描いた良い絵本でした。(2016年)2017/11/14
アキ
40
ゴッホは860点の作品を描いたが1点しか売れなかったという。でも毎日毎日外へ出て絵を描いた。その当時の子どもには役立たずに見えたであろう。石を投げてバカにしたであろう。アルルのゴッホを示す黄色を基調とした暖かな絵。その子どもが大人になった時、有名な美術館で立派な額縁に飾られた黄色い絵を目にする。子ども目線からゴッホという人となりを教えてくれる。まっすぐにこちらを見据えるゴッホの視線。今では1作品100億円はする。2018/11/19
モリー
31
悪がきが、大人のしているいじめを真似ていじめを繰り返す。いじめを受けた側は、精神的に追い詰められていく。自分を信じ抜くことは難しい。自分の信念に従って絵を描き続けたが、生前は誰にも理解されず、生きる場所すら失った天才画家ゴッホ。彼の生涯に事寄せて、いじめについて考えさせられる絵本でした。いじめ問題を考えてもらうために子ども達に読んでもらうには適した絵本だと思います。2018/11/25
きーしゃん
6
アキさんの感想から読んでみたくなった本。小さい頃のいじめを思い出した。小学生の頃いじめられていた女の子が隣の席になり、あからさまに嫌悪感をぶつけていたのを思い出した。ひどいことをしたというのは、歳をとるに連れて膨れ上がり、心の中に居座り続けた。成人して、たまたま一緒に飲むことになり、明るく気持ちの良い女性の姿に胸を打たれ、小学生の頃のことをいつ謝ろうかとばかり考えていた。結局、その場では謝れずに家に帰って電話で謝った。彼女は、ただ明るく笑って話すばかりの大人な女性であった。この本のように僕は忘れられない。2019/01/09
たくさん
2
大人になれば誰でも知っている話だけれど、始めてゴッホを知ることになる子供たちが出合う本はこういうアプローチは新鮮で格好良くて美しいのではないかと思った。タイトルみた時は否定的だったけれど内容はとてもよかった。2017/01/01
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