出版社内容情報
修練を積んだタイポグラフィーを底力とするのびやかな画面。そこに漂う空気の少しの湿り気が見る者を遠くへさそう。手を動かしながら考えていく、葛西 薫とその作品世界をスキャンする。サントリーウーロン茶のグラフィックとCMをはじめとする広告や、ブックデザイン、個展などの多岐にわたる作品を「管、スクリュー、物体など」「少年、青年、歌」「デザインのデの字」などの7章に分類。作品にまつわる沢山の話や文章やスケッチが、のびやかで深い葛西世界を身近にする。
目次
１ 管、スクリュー、物体など
２ 少年、青年、歌
３ 肖像
４ 陸海空、あるいは目前
５ デザインのデの字
６ 動物と絵空事
７ 字、言葉、本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hope
30
拝啓 葛西薫様 いい年したおっさんがいうのも気恥ずかしいですが、あなたの作ってきたデザインの世界にずっと憧れています。 そこからは心地よい風が流れてくるようです。情感に溢れた美しさと、品格と知性と純粋さ、込められた思考の痕跡に、大人の仕事を感じます。僕は悩んだ時にこの本を開くと、真摯な姿勢を諭される気持ちになります。大切なことを思い出した時のような感慨、もしくは好きなものに出会えた喜びのような感情が湧いてきます。 褒めすぎでしょうか。いいえ、僕はかなり控えめに称賛したつもりです。2019/03/06
高橋直也
0
直接お仕事をしたことはありませんが、作品をチラシで使ったり、ポスターを貼ったりした思い出がよみがえりました。作品はどことなく琳派を思わせる余白の美を感じます。デジタルでは作れないぬくもりがあるいまだに色褪せない仕事が素晴らしいです。2011/10/12
