内容説明
中世の人びとは、どのようにして時間を数えたのか、そしてまた、後世のわれわれに何を遺したのか?“コンプトゥス=暦算法”という語を手がかりに、西欧の時間意識の変遷をたどる刺激的な論考。
目次
古代ギリシアにおける神の時間、自然の時間、人間の時間
古代ローマにおける世界時間と救済史
中世初期における復活祭周期と定時課
七、八世紀における世界年代と人生の日々
九世紀における帝国暦と労働のリズム
中世盛期における猶予された瞬間の認識
一一、一二世紀における与えられた時間とその利用
一二、一三世紀における時間の分解と統一
中世後期における暦の混乱と管理
一四、一五世紀における機械時計と歩調の相違
近代初期における天界の機構と年代学
一八、一九世紀における時刻測定法と工業化
二〇世紀におけるコンピュータと原子年代
計算可能な時間と分配された時間
著者等紹介
ボルスト,アルノ[ボルスト,アルノ][Borst,Arno]
1925‐2007。ドイツの中世史家。コンスタンツ大学で教鞭をとる(1968‐90)かたわら、「モヌメンタ・ゲルマニアエ・ヒストリカ」(MGH)の編集委員をつとめるなど幅広く活躍。とりわけ異端、言語論、社会史研究の分野でめざましい業績を残した
津山拓也[ツヤマタクヤ]
1962年、佐賀県に生まれる。1990年、東京外国語大学大学院修士課程(独文学専攻)修了。現在、東京外国語大学、國學院大學、二松学舎大学、中央学院大学、淑徳大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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