内容説明
刊行から200年。現代にも、海外でも通じる旅の心得の数々。水が替わることへの用心、寒い国を旅するとき、船に酔ったときのよい方法、毒虫を避ける方法、くたびれたのを治す秘伝、旅の所持品について、空模様の見方、道中での日記の書き方など。旅の知恵満載。さらに諸国の温泉292ヶ所の効能や入ってはいけない病気をも記す。
著者等紹介
桜井正信[サクライマサノブ]
大正10年東京に生まれる。駒沢大学文学部名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶち
87
読友さんのレビューに魅かれて手に取りました。江戸時代末に書かれた旅行ガイド(用心、心得集)の現代語訳です。これがなかなか面白いのです。水が替わることへの用心、寒い国を旅するときの注意、船に酔ったときの対処、毒虫を避ける方法、疲れを治す秘伝、旅の所持品、空模様の見方、道中での日記の書き方…… 旅の智慧満載です。時代遅れと侮ってはいけません。現代の旅にも役立ちそうな智慧もいっぱい。特に登山や山小屋泊まりの旅には大いに役立ちそうです。まぁ、中には噴飯ものの情報もありますが.... たいへん楽しく読みました。2022/08/11
つーこ
32
江戸時代末期、1810年に書かれた旅行本!!凄いです。面白い。今のようにインターネットもなければテレビも電話もなく、車も飛行機もなく、よく旅行に行こうと思いましたねー。まあ、仕事で・・ってのも結構あったでしょうが。そんな彼らに向けて、空模様の見方や北日本を旅する時の必要品、船に酔った時の対処法、道中くたびれた時、女性が同行する場合や女性旅行者とすれ違う場合、さらには日本各地の温泉情報や宿のオプション料金表などなど、いろんな情報が満載でした。2021/12/28
まさ
27
江戸時代の終わり頃、多くの人が旅を楽しむような時代になってきた折に書かれた旅行の際の心得。旅の持ち物には何が必要か、宿に泊まったときにまずすること、病気になったときの対処法…。当時の様子が想像できてなんともおもしろい。全国の温泉にも多くページを割いていて、旅行の目的も見えてくる。いまの時代、国内でも初めて訪ねる地はもちろん、海外に旅行する際にも使えそう。「???」というものもあるけどね。2022/05/21
yyrn
22
江戸時代も後半では一般庶民もだいぶ旅に出かけるようになったらしいが、それでも一生に一度という人が大半だったらしく、なおさら失敗したくないという心理が働くのか、この手の本が沢山売れたようだ。それにしても、経験豊富な爺さんが書いているので、まあくどいw。細大漏らさず、何でもかんでも、かつ最悪を想定して注意してくれるので、気の弱い人はビビって出かけるのを止めてしまうのではないか?と心配になるほどだが、旅先で体調を崩しても歩いて帰ってこなければならない時代の旅の心得だから、そのくらい念には念を入れなければ⇒2023/09/18
ひさしぶり
21
今ならスマホひとつ、ちょっと前なら「地球の歩き方」かな。おかげ参りのブームと『東海道中膝栗毛』でこの『旅行用心集』もマストアイテムだったかも。江戸時代に狐や狸のしわざで奇怪なことが起こったら、なんて馬鹿にしちゃいけない。「東京は怖いところ」なんて昭和の時代に言われてたんだから。旅の豆知識や心得は今も通じるものがあり再認識。五岳真形図と白澤の図コピーして旅のお供にしようか。読友感謝🙏 利用年表に気になる記述ー731年旅人の飢えをしのぐ目的で畿内7道と諸国の駅路にそって果樹を植えさせる2022/09/14