内容説明
この世界は一本の樹によって支えられていた―宇宙樹・聖樹・神木…樹木にまつわる神話・伝説を世界各地に訪ね歩き、膨大な知識の披瀝により樹木崇拝の神秘な世界を解き明かす。
目次
第1章 地球の中心に
第2章 神秘の梯子
第3章 神託のオークの樹
第4章 樹液の魔術
第5章 神樹の死と再生
第6章 聖なる森と樹木の魂
第7章 妖精の森
第8章 果実、神話と歴史
第9章 エデンの園から十字架の樹へ
著者等紹介
藤井史郎[フジイシロウ]
1949年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、奥羽大学歯学部教授
藤田尊潮[フジタソンチョウ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。パリ第4ソルボンヌ大学DEA。現在、武蔵野美術大学教授
善本孝[ヨシモトタカシ]
1957年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、白百合女子大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eirianda
8
自分の不勉強により、神話の神々がなかなかイメージできず、半分も理解したかどうかわからないありさまだけど、時折強烈に引き込まれる話もあり、またいつか再読する価値はあると思った。こういうのって、ホメロスから読み直すべきなのだろうか?2016/04/14
nono
1
樹木にまつわる膨大な神話をまとめた作品。メインはギリシア神話で、それもかなり詳しい。残念なのは一貫したテーマが感じにくいこと。学術論文とはいえ、それぞれの章の繋がりが希薄で、全体として散漫な印象は免れない。しかしネタの宝庫であることは間違いなく、これだけ収集したくれただけでも頭が下がる。 興味深かったのは、ゼウスの恋愛・結婚が多いのは、アカイア人が征服した各地の土着の女神=樹木を従属させ、ゼウス信仰を強要したためという点。エヴァ好きなら、セロフィトの樹や生命の樹の章だけ読むのもありだと思う。2015/09/14
katar
1
面白い話がたくさん載っていた。ただギリシアの神様が多すぎて誰が誰だかわからなくなることが多かった。2011/07/18
takao
0
☆ユダヤ・キリスト教が隠蔽してきた神々の宿る世界2016/10/19
常磐条(ときわとおる)
0
Big Treeは大きく雄々しく、優しく美しい。天と地を繋ぐような月や樹を憧れで見上げるような瞬間を、僕らは必要としているように思う。月桂樹になってまでダフネを愛してしまうアポロンの気持ちも分かる。樹はもの言わぬゆえに心を映してしまう。だがそれは、自然という圧倒的厳しさに、身体を鋳型にはめ込むような厳しい構えで大地に根を張って生きる、樹の強さからきているものなのだ。砂漠の宗教が森を訪れ、樹々の影にサタンを生み出し、乾いた丘に世界樹を打ち立てたけれど、、、世界樹は森に生えていてほしいと願う。2013/06/29